「アントグループ」の上場延期の話題は、多くのビジネスマンや投資家の注目の的となった。しかし、中国にはこのほかにも、有望なフィンテック企業が数多く存在する。中国のフィンテック企業には、どのようなものがあるのだろうか。

目次

  1. フィンテックTOP100に10社を連ねる中国
  2. 中国の注目のフィンテック企業は?
    1. アントグループ(ANT GROUP)
    2. JD Digits
    3. Lufax
    4. Du Xiaoman Financial
    5. OneConnect
    6. WeLab
    7. ZhongAn
  3. 中国のフィンテック企業から目が離せない

フィンテックTOP100に10社を連ねる中国

中国フィンテックは今が最盛期?最新事情と注目企業7選
(画像=whyframeshot/stock.adobe.com)

今、世界を賑わせている企業の一つが、アントグループではないだろうか。2020年11月5日に香港と上海で上場予定だったアントグループだったが、当局が上場延期を表明したことは記憶に新しい。現時点では、まだ上場日の見込みは立っていない状況だ。

アントグループの規模があまりに大きいため、中国のフィンテック企業は、アントグループばかりが注目されがちだ。しかしながら、実はそれ以外にも有望なフィンテック企業が存在する。監査・税務などを提供するプロフェッショナルファームの世界的なネットワークKPMGが出している「FINTECH 100 2019」によると、中国の有望フィンテック企業は10社あり、アメリカの15社、イギリスの11社に次ぐ多さだ。

人口10億人を超える中国は、有望な市場を背景に今や世界的な規模となった、アリババ、テンセントといった巨大企業を生み出している。この事実から、フィンテックの部分でも有望な企業が期待されるということは、ある意味当然のことだといえるだろう。

中国の注目のフィンテック企業は?

では、中国のフィンテック企業には、いったいどのようなものがあるのだろうか。特に有望な7社を紹介しよう。

アントグループ(ANT GROUP)

やはり中国のフィンテックを語る上で外せないのが、アントグループだ。2004年に、アリババの決済部門として生まれたアントグループだが、現在中国で最も使われているキャッシュレス決済であるAlipay(アリペイ)だけでなく、ローン業務や資産運用業務、信用スコアまで幅広くサービスを提供する総合フィンテック企業となっている。

時価総額は30兆円にも迫るといわれており、フィンテックの中では時価総額が最も大きい企業だ。11月に上場延期が発表され、今後の動向に注目が高まっている。

JD Digits

中国でアリババの次に大きいECサイトを運営するのが、JD.com(京東)である。その金融部門を担うのが、JD Digitsだ。

2013年創業の同社は、JD.comの金融会社として、ビッグデータや顧客基盤を活用しながら、法人・個人向けクレジットやクラウドファンディング、資金管理サービス、また、仮想通貨なども幅広く手掛けている。

そのほか、政府向けにスマートシティやスマートマーケティング等を提供していることでも知られている。JD Digitsは政府や銀聯とも連携するなど、国と連携して事業を拡大しているのも特徴だ。こちらも上海証券取引所に上場申請しており、IPOに注目が集まっている。

Lufax

2011年創業のLufaxは、上記の2社と異なり、提供しているサービスはシンプルだ。個人間金融(P2P金融)である、ソーシャルレンディングのプラットフォームを提供している。4,000万人以上のユーザーを抱えており、中国最大級のソーシャルレンディングプラットフォームでもある。

2020年10月にニューヨーク市場行ったIPOは、2020年最大のフィンテックの資金調達となっている。11月時点で、時価総額は3兆円を超えている。

Du Xiaoman Financial

Du Xiaoman Financialは中国でインターネット検索エンジンを提供する「百度」の金融部門として、2015年に生まれた企業だ。短期のローンサービスや投資サービスなどを中心に、さまざまな金融事業を手掛けている。

百度の持つAI技術の優位性を活かし、さまざまな金融サービスと連携しながら、サービスを手掛けていることが特徴だといえるだろう。同社のローン残高は2017年末で4,500億円を超えている。2019年末時点で調達金額は1,400億円を超えており、なお引き続き投資を拡大する方針といわれている。

OneConnect

OneConnectは中国平安保険グループ(Lufaxも同グループ)の一員であり、金融機関向けにテクノロジーを提供している企業だ。ビッグデータやブロックチェーンなどを活用し、中小銀行向けに収益の増加やコスト削減のためのテクノロジーを提供している。2019年には日本でも、SBIホールディングスと合弁会社を設立し、サービスの展開を始めている。

WeLab

WeLabは2013年創業で、オンラインレンディングフォームである「WeLend」や、マイクロレンディングプラットフォームの「WeLab Digital」、バーチャル銀行である「WeLab Bank」などを運営している。テクノロジーを活用し、与信までのスピードが速いことが同社の特徴となっている。2019年12月には約170億円をシリーズCで調達している。

ZhongAn

2013年創業のZhongAnは、アリババ・テンセント・中国平安保険の共同出資で生まれた保険会社であり、オンラインで保険を提供している企業だ。保険とテクノロジーを掛け合わせた同社は、3億5,000万人以上の顧客に、さまざまな種類の保険を提供している。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドや、モルガンスタンレーからも出資を受けており、注目度が高い企業だといえるだろう。香港で上場しており、時価総額は6,000億円程度となっている。

中国のフィンテック企業から目が離せない

このほかにも、中国にはさまざまなフィンテック企業があり、今もなお、多くのフィンテック企業が生まれている。10億人を超える人口を背景に、中国のフィンテック企業はますます成長していくだろう。今後も中国のフィンテック企業から目が離せない。

文・BUSINESS OWNER LOUNGE編集部