分野を問わずさまざまなシーンでAI(人口知能)が活用されつつある一方で、その進化も急速に進んでいる。

特に熱い期待が寄せられているのは、データ解析の経験を積み重ねていくことで、その精度が自動的に改善されていく「機械学習」と、さらにそれを進歩させてコンピューター自らが人間の指示を待たずに学習していく「ディープラーニング(深層学習)」の進歩だ。

これらの最先端技術を活用し、日本におけるAIビジネスをリードしようとしているスタートアップ10社を紹介したい。

目次

  1. 1. Shannon Lab株式会社 対話型の人工知能機能に強み
  2. 2. LeapMind株式会社 自動運転やIoTデバイスにAIを活用
  3. 3. 株式会社ABEJA ヤフージャパンやメルカリなど、著名な企業が多数導入
  4. 4. 株式会社GA technologies AIを活用して不動産ビジネスを変革
  5. 5. 株式会社Nextremer 音声対話システム「minarai」を著名企業が採用
  6. 6. 株式会社Preferred Networks 世界2位のディープラーニング用コンピュータを開発
  7. 7. LAPRAS株式会社 日本初のAIを駆使したヘッドハンティングサービスを提供
  8. 8. 株式会社WACUL AIがデジタルマーケティングにおけるPDCAをサポート
  9. 9. 株式会社xenodata lab. AIによる経済予測専門のクラウドサービスを運営
  10. 10. 株式会社MICIN AIを活用したオンライン診療サービスのアプリを開発
  11. 加速する日本のDX
大西洋平
大西洋平
経済ジャーナリスト。出版社勤務を経て独立し、ビジネス誌や金融経済誌、一般週刊誌などに経済・金融・企業経営などの分野を中心とした記事を寄稿。これまでにトップインタビューを行った上場企業数は1000社以上に上る。また、著名なエコノミストや経営コンサルタント、弁護士、会計士、金融市場のアナリストやストラテジストなどの取材も多数手掛ける。

1. Shannon Lab株式会社 対話型の人工知能機能に強み

今注目のAI・人工知能スタートアップ10選 日本編
(画像=k_yu/stock.adobe.com)

数学者でAIエンジニアの田中潤氏が創業し、自然言語処理や音声認識、数理解析、ディープラーニング(深層学習)の分野で高度な技術を有しているのが強みだ。

スパムメール判定や、男性と女性のいずれが書いた文章なのかの判別、誹謗中傷であるかどうかの判定などを行うShannonLab APIをはじめとするソリューションを提供している。

2. LeapMind株式会社 自動運転やIoTデバイスにAIを活用

極小量子化技術(ディープラーニングへの適用で軽量化を達成)や物体検出、物体追跡などといった技術を得意とし、AI搭載を支援するソリューション「超低消費電力AIアクセラレータIP」を開発。

同社のディープラーニング技術は、自動車の自動運転や工場内の稼働状況の異常検知、IoTデバイスなどへ活用されている。

3. 株式会社ABEJA ヤフージャパンやメルカリなど、著名な企業が多数導入

AI によるディープラーニングの実装・運用を支えるABEJA PlatformやABEJA Platform Annotationを展開している。

AIによる商品仕分けの自動化やメンテナンスサポートの効率化、熟練工の行動分析といったことを可能とした。ヤフーやメルカリといったIT企業はもとより、製造業やインフラ業、物流業、小売業などの200社以上において導入実績を誇る。

4. 株式会社GA technologies AIを活用して不動産ビジネスを変革

最新のテクノロジーを導入し、賃貸や売買の仲介、賃貸物件への投資といった従来型の不動産ビジネスを変革する企業。

物件のマッチングやおすすめのリノベーションプラン提案などをAIが手掛けるRenosyシリーズのアプリを通じて、不動業界のクロステックを推進している。

5. 株式会社Nextremer 音声対話システム「minarai」を著名企業が採用

高度な自然言語処理機能や画像認識機能を用いたAIエンジンや、それらのテクノロジーを活用したチャットボットや案内用の対話システム、接客システムなどを手掛けている。

さまざまなインターフェイスを通じてAIが応対するマルチモーダル音声対話システム「minarai」は、すかいらーくグループやテレビ朝日をはじめとする著名企業が導入している。

6. 株式会社Preferred Networks 世界2位のディープラーニング用コンピュータを開発

交通システム、製造業、バイオ・ヘルスケアの3領域でディープラーニングの活用によるイノベーションを推進し、マイクロソフトやインテル、トヨタ自動車をはじめとするグローバル企業と協業。

同社のディープラーニング用スーパーコンピュータMN-3は、省電力性能ランキングGreen500で自らの世界記録を更新し、世界2位にランキングされている。

7. LAPRAS株式会社 日本初のAIを駆使したヘッドハンティングサービスを提供

日本初のAIヘッドハンティングサービスを立ち上げたスタートアップ。

技術情報共有サービスやSNSなどの情報から、AIがスキルや志向性を客観的に分析。経験年数や希望年収などの単純な数値情報だけでなく、自分が記述したコードやブログなどの定性的な情報をもとに、企業(クライアント)側が求めている人材をマッチングさせる。

8. 株式会社WACUL AIがデジタルマーケティングにおけるPDCAをサポート

Google Analyticsのデータをもとに分析し、「改善ポイントの提案→施策の管理→成果の検証」といったデジタルマーケティングにおけるPDCAの進行をサポートする「AIアナリスト」を手掛ける。

「AIアナリスト」で培った勝ちパターンをもとに、CVR(コンバーションレート)の最大化を追求するLP(ランディングページ)制作ソリューションも展開している。

9. 株式会社xenodata lab. AIによる経済予測専門のクラウドサービスを運営

企業業績や業界動向、製品価格や素材市況、統計データの今後を推察するなど、経済予測を専門とするクラウドサービスxenoBrainを運営している。

帝国データバンクと提携して40万社の未上場企業のレポートを解析するとともに、ディープラーニングも含めた最先端のAIを駆使して緻密な予測を行ってきた。大手金融機関を中心に100社以上が利用している。

10. 株式会社MICIN AIを活用したオンライン診療サービスのアプリを開発

東京大学医学部卒、マッキンゼー出身の原聖吾医師が創業し、オンライン診療サービスなどを展開している。

同社が開発したアプリ「curon(クロン)」を用いれば、手持ちのスマートフォンで予約から問診、診察、決済、医薬品の配送⼿続きまでを済ますことが可能。同アプリでは、医療画像・患者行動に基づいた疾病識別、健康状態の将来予測などにAIが活用されている。

加速する日本のDX

ここまで見てきたように、日本国内でも各方面でAIの積極活用が進められている。これらの企業のビジネスが普及すれば、社会的な課題が解決され、人々の生活はより便利で快適になることだろう。まさにそれは、「デジタルトランスフォーメーション(DX)=技術革新が世の中をよりよき方向へと導いていく」ということである。

文・大西洋平(ジャーナリスト)