中国のユニコーンはすでに100社以上に上り、アメリカには及ばないものの、ほかの国を圧倒する数となっている。そして注目すべきは、こうしたユニコーンがいつ上場するかだ。最新の報道などから、近いうちに新規上場の可能性がある中国のユニコーンを紹介していく。

目次

  1. ユニコーンと上場
  2. 今後新たな上場が見込まれている企業は?
    1. ショート動画アプリ「TikTok」の運営会社である「ByteDance」
    2. オンライン共済保険サービスなどを展開する「Waterdrop」
    3. 自動運転トラックを手掛ける「TuSimple」
    4. 動画共有アプリを展開している「Kuaishou」
  3. 「Didi Chuxing」の上場に関する情報にも注目

ユニコーンと上場

今後、新たに上場を狙う「中国のユニコーン企業」とは?
(画像=TetianaRUD/stock.adobe.com)

ユニコーンとは時価総額が10億ドル以上の非上場企業のことを指す。ユニコーンは有望企業ではあるが証券取引所に上場しているわけではないため、一般の個人投資家などはユニコーンの株式を売買することができない。

しかし、上場すれば話は別だ。そのため、ユニコーンの上場時期は投資家の間でもたびたび話題にあがる。ユニコーンの仲間入りをするまでに成長を果たした企業は、上場による資金調達によってさらに飛躍することが期待される。

フランスAFP通信の報道によれば、中国のユニコーン企業のうち2017〜2020年6月末にかけて上場したのは48社で、アメリカで上場したユニコーンが23社、香港で上場したユニコーンが17社、中国で上場したユニコーンが8社という内訳になっている。

また最近では、レンディングとウェルスマネジメント系のサービスを手掛ける中国のフィンテック企業「Lufax」が2020年10月末に新規株式公開(IPO)を実施し、アメリカのニューヨーク証券取引所で株式の取引が始まっている。

今後新たな上場が見込まれている企業は?

ここからは、今後新たに上場が見込まれている中国のユニコーンの企業を紹介していこう。

ショート動画アプリ「TikTok」の運営会社である「ByteDance」

ByteDanceは世界のユニコーン企業の中でも時価総額で断トツ首位のユニコーンだ。時価総額は1,400億ドルに上り、世界唯一のヘクトコーン(時価総額が1,000億ドル以上の非上場企業)でもある。

そんなByteDanceはショート動画アプリ「TikTok」の運営会社で、中国国内だけでもユーザー数は6億人を超えている。ByteDanceについては中国事業の上場を検討していることがすでに報じられており、いつ頃の上場を計画しているのか気になるところだ。

上場を果たせば多額の資金調達につながり、TikTokそのものの事業拡大のほか、TikTokとは別に手掛けているニュースアプリ事業を強化することも考えられる。

オンライン共済保険サービスなどを展開する「Waterdrop」

2020年に新たにユニコーン企業となった「Waterdrop」も上場を狙っている中国企業のうちの1社だ。同社はオンライン共済保険サービスや医療費を集めるためのクラウドファンディングサービスを展開しており、資金調達を成功させながら時価総額を高めてきた。

中国のスタートアップ情報メディア「36Kr」が関係者の話として報じたところによれば、Waterdropの上場は2021年第1四半期中の可能性が高く、中国国内ではなくアメリカで上場する計画が持ち上がっているようだ。

ブルームバーグ通信は、Waterdropがバンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックス・グループなどとIPOについて作業を進めていると報じている。

自動運転トラックを手掛ける「TuSimple」

いま世界的に熱い技術領域の1つに「自動運転」がある。自動運転技術は人々の移動や物流に寄与する技術であり、物流で自動運転技術を活かそうと事業に取り組んでいる企業が「TuSimple」だ。自動運転トラックを実現しようとしている。

TuSimpleについてこれまでも、実証実験の実施に関してたびたび発表や報道があった。たとえば2019年には米国郵便公社(USPS)とともに自動運転技術の実証実験を行うことが発表された。また、TuSimpleの事業の有望性を高く評価し、出資を名乗り出る企業も少なくない。

TuSimpleの上場は2021年初頭となる可能性が高く、Waterdropと同様にアメリカでの上場を目指しているようだ。

動画共有アプリを展開している「Kuaishou」

中国国内においてTikTokのライバルといわれている「Kuaishou」も、近く上場が見込まれていた中国ユニコーンだが、すでに2021年2月香港市場に上場し、初値は公開価格の約3倍にも上った。

また、この上場により50億ドル以上の資金調達に成功した。香港市場上場において、この規模の調達額は2019年11月アリババ集団の上場以来だという。

「Didi Chuxing」の上場に関する情報にも注目

企業調査会社の米CBインサイツが公表・更新しているデータによれば、現在のユニコーンの時価総額ランキングの上位10社のうち3社は中国企業となっている。自動運転技術などにも力を入れているライドシェア大手の「Didi Chuxing」が第2位につけており、同社の上場に関する情報が今後出てくるかも注目される。

新たにユニコーンに仲間入りする企業も数多く出てきている中国。2021年は中国ユニコーンの上場ラッシュとなるのか気になるところだ。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)