人材不足に悩む経営者は多い。特に営業力が弱い会社は業績にも直接影響する。そこで最近利用する会社が増えているのが、営業代行というビジネスである。ここでは、即戦力として期待される営業代行のメリット・デメリットと料金体系について紹介する。

目次

  1. 営業を代行するってどういうこと?
  2. 営業代行はどんなことをやってくれるのか、業務内容をチェック!
    1. 営業代行の業務内容
  3. 営業代行のメリット、即戦力化が魅力
  4. 営業代行のデメリット、成果主義に陥るリスクも
  5. 営業代行が必要なのはどんな会社?自社の課題に合わせる
    1. 営業代行を利用したほうがよい会社とは?
  6. 営業代行の料金体系は?コスパで検討しよう
    1. 優秀な担当者でないとコスパが悪くなる可能性も
  7. 営業代行をビジネスに役立て、業績向上につなげたい

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営業を代行するってどういうこと?

営業代行をビジネスにどう役立てるか?経営における活用方法を考える
(画像=naka/stock.adobe.com)

まず、「営業を代行する」とはどういうことか考えてみよう。「営業代行」は、一見不思議な言葉に見えるかもしれない。営業は、本来自社で行ってこそ顧客からの信用が得られるものだ。それを第三者に代行させてよいものなのか。営業代行ビジネスの存在を知っていても、顧客との関係を考えると導入を躊躇する経営者もいるだろう。しかし技術者が多く、営業力が弱い会社もある。営業を代行してもらうことで、優れた商品をより効率的に販売したい会社には適したサービスといえるだろう。

営業代行と似た言葉に「販売代行」があるが、販売代行は「販売代理店」として契約した会社の商品・サービスなどを販売するものだ。一方で営業代行は代行会社の名前ではなく、依頼された会社として営業を行う。顧客には自社の営業活動として認識してもらえるため、信用面の不安はあまりないだろう。

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営業代行はどんなことをやってくれるのか、業務内容をチェック!

営業代行の業務内容をチェックしておこう。営業代行の業務プロセスは、アプローチ先のリスト作成→アポイントの獲得→商談→契約だ。ただし、すべての会社が同じではなく、電話アポイントなどの業務に特化した会社もある。したがって、自社が求める業務内容に対応できる業者を選択することが大切だ。

営業代行の業務内容

・営業ソリューション-PDCA
最近、「PDCA」という言葉をよく聞くようになった。PDCAとは、営業活動におけるPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)を表す言葉である。最後のActで行った改善を、最初のPlanにつなげる。同じサイクルを繰り返すことによって、継続的な改善を図る仕組みになっている。営業ソリューションでは、PDCAサイクルに沿って営業を代行する。

・営業アウトソーシング-各種営業方法
営業プロセスの中で、標準化された量的な業務をアウトソーシング(社内の特定の業務を専門性の高い会社に委託すること)するやり方である。主な営業方法は、テレアポや訪問営業、メール営業、マニュアル・資料の作成など。いずれも、自社で行えばそれなりの人員と時間が必要な業務である。仕事量が増えて人手が足りない企業にとっては、有効な方法といえるだろう。

・紹介代理店業務-成果報酬型
紹介代理店業務は、新規契約の紹介のみを行う。ターゲットに合った商品を既存商品とともに紹介するタイプと、得意な商品のみを新規顧客向けに販売するタイプに分かれる。契約方法は成果報酬型が多い。

営業代行のメリット、即戦力化が魅力

営業代行サービスを利用するのは、自社の営業力に何らかの課題や不満を抱えている会社であろう。営業代行を導入すると主に以下のようなメリットを得られるが、これ以外のメリットも含めて自社の弱点をカバーできるサービス内容であるかどうかを見極める必要がある。

1.即戦力化による人件費コストの削減
会社にとって、人材育成コストは大きい。募集広告費用や人材紹介会社への手数料などが、数百万円に上ることもある。採用した後も教育コストがかかり、正社員なら社会保険といった法定福利費の負担も生じる。営業代行を使えば、このようなコストを削減できるだろう。

2.見込み客との商談機会が増える
見込み客を獲得する際は、テレアポやダイレクトメール、商品展示会の開催などによって自社社員に負荷がかかる。営業代行に依頼することによって見込み客との商談機会が増え、自社で行う営業活動を縮小できる。他の業務に時間を使えるようになるため、生産性の向上が期待できるだろう。

3.自社商品の問題点が明確になる
営業代行業者と打ち合わせの段階で、自社商品やサービスの問題点がわかることもメリットだ。営業のプロから見て販売が難しいと思われるものであれば、改善のアドバイスを受けられる。つまり、コンサルティングを受けるのと同じ効果が期待できるのだ。

営業代行のデメリット、成果主義に陥るリスクも

メリットが多い営業代行ではあるが、デメリットがないわけではない。自社の弱点をカバーするために活用する営業代行なのに、逆に社内にマイナスをもたらすこともある。あらかじめ、社内でデメリットを許容できるかどうかを検討してから、導入を決めとよいだろう。

1.成果を急ぐあまり強引な営業になるリスクあり
営業代行社員にノルマがあることは十分考えられる。ノルマがなくても歩合制で給与が変動するなら、1つでも多くの契約を取りたいと思うのは当然のことだ。そのため成果を急ぎ、強引な営業になるリスクは常に考えておかなければならない。また成果を上げるために、売りやすい商品のみに注力する可能性もある。そうなると、自社の課題の解決にならない恐れがある。特に注意したいのが、前述の「成果報酬型」の営業代行だ。営業先での様子はわからないので、顧客から自社に苦情が寄せられた場合は、厳正に対処する必要があるだろう。

2.ターゲットを間違えると成果が上がらない
営業にはターゲットが存在するため、いくら営業代行に依頼しても自社の商品やサービスに合ったターゲットを設定しないと、成果は期待できない。営業代行に依頼する前に、しっかりとマーケティングリサーチを行い、効果的な販売計画を策定してから依頼することが必要だ。

3.自社社員のモチベーションが低下する
営業代行に任せることを快く思わない社員もいるだろう。自分たちの営業活動を否定されたと感じるかもしれない。特に自社営業と営業代行を併用する場合、成果に著しい差が生じると自社社員のモチベーションが低下する恐れがある。

営業代行が必要なのはどんな会社?自社の課題に合わせる

次に、営業代行が必要な会社について考えたい。営業代行は自社が抱える課題に合わせて利用することが重要だ。営業代行で業務を効率化できるといっても、相応の費用がかかる。まず、営業代行をどのような目的で利用し、どのような成果を上げたいのかを明確にすることが必要だ。目標とする成果を明確にすることで、営業代行の利用継続を判断しやすくなるだろう。

営業代行を利用したほうがよい会社とは?

営業代行を利用したほうがよいと考えられるのは、以下のような課題を抱える会社だ。

・営業社員はいるが、アポイント数が足りず訪問件数が伸びない。
・売れる商品やサービスはあるが、人手不足で営業に社員を回せない。
・売上が伸びており、現在の営業社員だけでは足りない。
・営業ノウハウがなく、販売も含めて依頼したい。

営業代行を導入する目的は、大きく分けると「売上が伸びない現状を打開する」「売上が伸びている現状に対応する」の2つだ。

営業代行の料金体系は?コスパで検討しよう

最後に、営業代行サービスの料金体系を確認しておこう。料金と業務内容を照らし合わせることによって、コストパフォーマンスを判断できる。料金体系は、「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3つに大別できる。

・固定報酬型
あらかじめ決められた報酬額を月額料金として支払う仕組み。毎月の支払額が決っているため予算を立てやすいというメリットがある。成果が多ければ、成果報酬型よりもコストパフォーマンスが高くなるはずだ。成果が出なかった場合でも、自社商品やサービスに何らかの問題点があると考え、改善につなげることができれば、無駄な出費にはならないだろう。

・成果報酬型
営業代行を行った結果、受注や顧客を獲得した場合に報酬を支払う仕組みで、固定報酬型よりも価格帯は高めだ。そのため、成果が上がったときにどの程度の支払額になるかを試算した上で契約する必要がある。

・複合型
固定報酬型と成果報酬型を組み合わせたもの。毎月払う基本料金と、成果が上がった場合に払う成果報酬の両方を支払う。

参考までに主な営業代行会社の料金体系をピックアップすると、以下のようになる。

会社名 料金体系
ファンベスト アポ取りまで47万円、契約まで55万円
オンリーストーリー 初期費用30万円~、月額料金20万円~
ウィルオブ・ワーク 固定報酬型38万円~
g-wic パッケージ型:初期費用5万円、固定型・成果型を選択できる
ベイルズ 固定報酬型60万円~
Sakura コール数課金&成果報酬型:初期費用14万5,000円~

出典:MAG BOXIL(2022年3月時点)

優秀な担当者でないとコスパが悪くなる可能性も

成果報酬型の料金について、多くの会社では「要問合せ」となっている。上の表のように公表されている料金もサービス内容によって大きく異なるので、必ず数社から相見積もりを取って判断することが大切だ。

月額20~60万円の価格帯だと、正社員を1~3人雇用するのと同じくらいの費用になるため、確実にコスト以上の成果を出してくれる担当者でないと、コスパが悪くなる可能性がある。確実な成果を期待するなら、成果報酬型の会社を選ぶのもよいだろう。いずれにしても、会社や契約方式によって料金に差があるので、契約先は慎重に選んでほしい。

営業代行をビジネスに役立て、業績向上につなげたい

今回、初めて営業代行というビジネスの詳細を知った経営者もいるだろう。「自社の営業力が弱い」「人材が不足して営業に人を回せない」といった悩みがあるなら、検討に値するサービスといえそうだ。実際、数千社のクライアントを抱える営業代行会社もある。

しかし、「他社がやっているから」という理由だけで導入するのは避けたい。大切なことは、営業代行を自社のビジネスにどう役立てるかであり、目的と費用対効果が明確でなければならない。営業代行を有効に活用し、生産性と業績の向上につなげてほしい。

※記事中で紹介した料金体系は一例であり、変更になる場合があります。参考程度にお考え下さい。

文・丸山優太郎