起業を考えたものの、起業アイデアが思い浮かばずに悩んでいないだろうか。起業アイデアは、日本国内だけでなく海外の成功例も参考にすることで、イノベーティブなヒントを得られる事もある。ここでは、海外の起業成功例や、起業アイデアを抽出するためのポイントについて説明する。

目次

  1. 海外の起業アイデアの具体例
    1. 1.先駆者として行う新しいサービス
    2. 2.特定の国や文化に焦点を絞ったサービス
    3. 3.コンサルタント系の仕事
    4. 4.ノマドワークができる仕事
  2. 起業のアイデア探しで陥る失敗
    1. アイデアだけが先走りする
    2. 利益を得ることだけを目標にしている
    3. 非現実過ぎる
  3. 起業のアイデアを出す方法
    1. 1.自分が気になる分野の書籍やwebサイトを調べて成功の理由をまとめる
    2. 2.普段利用している商品・サービスから、ヒントを得る
    3. 3.起業セミナーなどに参加して人脈を広げる
    4. 4.メンターを見つける
    5. 5.創造性を磨く
  4. 重要ポイントを抑え、かつ柔軟な視点をもつ

海外の起業アイデアの具体例

Group of successful business people designers architects in office
(画像= NDABCREATIVITY/Adobe Stock)

起業のアイデアを考えるには、既に成功しているビジネスを参考にすることが役に立つ。まずは、海外で成功している起業アイデアを4つ、ご紹介しよう。

1.先駆者として行う新しいサービス

まだ誰も形にしておらず、市場にも出ていないサービスは、成功すれば大きな利益を見込めるというメリットがある。

仮想通貨や自動車配車サービス、民泊などは、いずれもITテクノロジーの恩恵を活かして世界的成功を納めた例だ。具体的には、ビットコインやUber、Lyft、Airbnbなどが該当するが、消費者の需要を先取してテクノロジーを当て込むという戦略が、大成功につながった。

ただし、「先駆者」という発想にこだわり過ぎると、失敗を招く恐れもある。需要がなければ利益は生まれない点を念頭に置き、「本当に求められているモノ」を見極めることが重要だ。

2.特定の国や文化に焦点を絞ったサービス

グローバル化が進む近年、特定の国や文化を紹介するといった媒体的なサービスの需要は、さらなる拡大が期待できる。

例えば、海外の日本人を対象とするサービス、現地の人に日本のサービスを提供する、あるいは日本で他の国の人を対象としたサービスを提供するといったことだ。

海外において日本のサービスを展開するとしたら、日本食のレストランやテイクアウト、宅配サービス、食材販売、料理教室、イベント用の着付け・写真サービス、アニメまで、アイデアを活かせるポテンシャルは広範囲にわたる。

もちろん、日本以外の国での滞在経験やコネクションがあるのなら、国にこだわることなく起業することも可能だ。

3.コンサルタント系の仕事

アドバイスやノウハウをクライアントに提供する「コンサルタント」は、日本でも人気の起業アイデアだ。週末起業の候補の一つとして選択される事もある。

ファイナンシャル・プランナーから集客コンサル、起業・経営コンサル、ITコンサルまで、さまざまな領域において、専門家としての情報提供や支援を行う事が可能だ。

コンサルタントとして活用できる知識と経験があれば自宅でも仕事ができるため、起業の初期経費を低減できるというメリットも大きい。既存のネットワーク以外にも、コンサルティングのマッチングサイトなど新しいネットワークを上手に利用すれば、クライアントを開拓しやすくなる。

海外では、環境保全に関する調査や立案などを提供する環境コンサル、クライアントが理想とするイメージを創り上げて、ゴールに近づくことを支援するイメージコンサル、といったものもある。

4.ノマドワークができる仕事

「ノマド(Nomad)=遊牧民」を意味するノマドワークは、特定の職場に縛られることなく、どこでも仕事ができる働き方のことだ。ノマドの利点を活かして、まずは本業を続けながら副業として起業する人も多い。

WebライターやWebデザイナー、プログラマー、コピーライター、Webマーケティング、ブロガーなどの職業は、テレワークとして日本でも既に浸透している。海外では、自分の得意分野や資格を活かした、オンライン講師や旅行ジャーナリストといった仕事もある。

IT関連では、SNSを活用したマーケティングを展開するソーシャル・メディア・マーケターやSEOスペシャリストなどのほか、中小企業や多忙なビジネスパーソンのサポートをオンライン上で行う「バーチャル・アシスタント」も注目されている。クライアントにとっては、小さなタスクを外部委託できる、よりパーソナル性に特化したアウトソージング手段だ。

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起業のアイデア探しで陥る失敗

既存の起業アイデアを参考にする場合は、具体的な事例ばかりに目を向けず、「なぜ成功したか?失敗したか?」といった視点で分析することが重要だ。成功する要因だけではなく、失敗する原因も同時に学ぶことで、自らの起業アイデアの具体性を高めることができる。

ここでは、起業のアイデア探しで陥りやすい失敗について、いくつか紹介する。

アイデアだけが先走りする

「アイデアは素晴らしいが、なかなか形にならない」と悩んでいる人は、起業する上で、アイデア以外に大切なことを見落としている可能性がある。

起業を成功させるためには、アイデアの他にも、ノウハウや資金、需要を調査したり、サービスや商品を効果的に提供するための戦略など、重要なポイントが沢山ある。

「起業=自分でビジネスを運営する」という意識を強くもち、マネージメントやマーケティングなどの知識を蓄えて経験を積むことも重要だ。独りで起業アイデアを考える自信が無い人や、起業の準備をする時間がない人は、コンサルタントなど専門家の知恵を借りる方法もあるが、その場合でも、最低限の知識は身に付けておきたい。

利益を得ることだけを目標にしている

「起業=儲けるチャンス」という図式に捕らわれ過ぎて、利益率の高そうなアイデアばかり探していると、長期的な成功は期待できない。起業は、お金を生みだすチャンスではあるが、お金を失うリスクもある。当たり前のことだが、初期投資の金額が大きければ、失敗した時の損失も大きくなる。

起業成功者に必要な資質として「情熱」や「信念」が挙げられる。起業するためには、職種や規模によって差はあるものの、お金や時間、労力などの「投資」も不可欠だ。自分が心から熱中できることを形にするという信念を持ち続けることが、起業への投資を長続きさせる原動力となる。

「お金を儲けたい」というだけで、そこに情熱と信念がないアイデアは、形になる前にあっさりと砕け散ってしまうことになりかねない。

非現実過ぎる

いくら素晴らしい起業アイデアでも、現実とのバランスが必要だ。「アイデア=突飛なもの」である必要はない。起業アイデアを形にした上で、存続できなければならないのだ。

散々考え抜いてユニークなアイデアを思い付いたとしても、市場にまったく需要がなく、将来的にも誰も見向きもしそうにない事業であれば、採算がとれる可能性は極めて低い。

また、前述した通り、起業には「投資」が必要だ。「商品化するための資金が大幅に不足している」「副業としてのスタートを検討しているが、本業が忙し過ぎて十分な時間がとれない」など、起業するための環境が整っていないにも関わらず強引に企業を進めようとすると、事業の失敗というツケが回ってくる可能性がある。

「今、自分にできる現実的なアイデア」に目を向けることが、起業アイデアを抽出する第一歩だ。

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起業のアイデアを出す方法

起業アイデアの探し方にルールはないが、どうしても起業アイデアが出ない場合は、以下の方法を参考にすることでインスピレーションを得ることができるだろう。

1.自分が気になる分野の書籍やwebサイトを調べて成功の理由をまとめる

自らが以前から興味のある分野で成功している起業例に絞り込み、起業に成功した理由を分析する方法だ。調査対象事業の起業アイデア、需要、ターゲット層、マーケティング戦略、時期などを細かく知ることで、さまざまなヒントを得ることができる。

同様に、起業のアイデアは良かったにも関わらず、廃業に追い込まれた起業事例も分析することで、失敗を回避するためのヒントを得ることもできるだろう。

2.普段利用している商品・サービスから、ヒントを得る

例えば、普段自分が何気なく利用している商品やサービスについて、「なぜ利用しているのか(気に入っている点・改善して欲しい点など)」を分析してみることで、その商品やサービスをベースとする、新たなアイデアが生まれるかもしれない。

「この商品の○○は気に入っているが、△△は改善して欲しい」と感じるのであれば、同じように感じている人が他にもいないか調べ、意見を集めることで具体的なアイデアを思い浮かぶ可能性もある。改善された商品があった場合、どれ位の人が利用したいと考えているかといった「需要面」についても、予めマーケティング調査できれば言うことなしだ。

3.起業セミナーなどに参加して人脈を広げる

ビジネスの成功で重視される「人脈」。すべてのビジネスは、人脈でつながっていると言っても過言ではない。

起業セミナーなどを通して、さまざまな価値観を持つ人と出会い、コミュニケーションを図ることは、起業に対する知識やインスピレーションを得る絶好の機会である。具体的なアイデアが浮かばない時、他の人と話しているうちに突然インスピレーションが舞い降りたり、頭の中で漠然と考えていたことが形になることもあるのだ。

また、人脈を築くことで、実際に起業を行う場合に助けとなることもある。どれほど素晴らしいアイデアを思いついても、商品化や宣伝・販売をサポートしてくれる人がいなければ、失敗する可能性が高くなるからだ。

4.メンターを見つける

偉大な成功者の中には、「メンター(Mentor=指導者)」の影響を受けている人もいる。メンターとは、ビジネスや学業などの目標達成や、その過程で必要な精神的成長をサポートしてくれる人物だ。

特に、起業が初めてという人は、既に起業をしている「起業の先輩」をメンターとして、体験談やアドバイスを受けることで、起業のノウハウを学ぶこともでき、起業アイデアを具体化しやすくなるだろう。メンターを見つけることは、人脈作りの一環としても非常に効果的だ。

5.創造性を磨く

「創造性(Creativity)」は、素晴らしいアイデア思いつく上で欠かせない要素である。また、目まぐるしく変化し続けるデジタル時代のビジネスを生き抜く上でも、重要なスキルと考えられている。

創造性と言うと、「個性的な発想」「既存の枠組みにとらわれない」といったイメージが頭に浮かぶかもしれない。ただ、これらに加えて「新しいモノや考え方にオープンな柔軟な思考」「既存のアプローチでは解決できない問題を、解決に導くためのスキル」など、多様な意味がある。

前述の「普段利用している商品・サービスから、ヒントを得る」という起業アイデアの抽出法も、創造性に基づくものだ。「自分は創造性に欠ける」と思う人もいるだろうが、創造性は誰にでも備わっている。

創造性を磨くために重要なことは、好奇心や遊び心を忘れずに「新しい発見」に貪欲さを持ち、物事を多面的に捉えることである。具体的には、芸術作品や自然と親しむ、旅行に行く、習い事を始める、楽器を演奏する、新しい人と出会うなど、インスピレーションを刺激する体験をすることが創造性を養ってくれるだろう。

重要ポイントを抑え、かつ柔軟な視点をもつ

起業の成功は、アイデア次第というわけではない。どのような起業アイデアにしろ、実現するためにはそれ相応の努力が必要だ。

起業を長期的な投資と捉え、まずは、自分のスキルや経験、才能、関心のある分野を特定し、自分の生活スタイルや自由に使える時間・資金・労力を考慮しながら、バランスのとりやすい方向性を模索する事が肝要だ。

その他にも、既存のネットワークを活かせるか、あるいは新しいネットワークを開拓しやすいかなど、起業した事業を有利に進めるために考慮すべき点は多々ある。

これらの重要ポイントをしっかりと押さえ、かつ既存の枠組みにとらわれない柔軟な視点を持つ事で、「これだ!」と思える起業アイデアに出会えるだろう。

文・Yuri Allan