新興企業の時価総額ランキングを発表している米CBインサイツによれば、2020年10月時点で中国にはユニコーン(時価総額10億ドル以上の非上場企業)が118社あるという。これはアメリカに次ぐ多さだ。この118社を分析すると、いま中国で熱い業種が見えてくる。

目次

  1. ユニコーン数、国別では中国では第2位(118社)
  2. ユニコーン企業を業種で分類した結果は?
  3. 業種別で1位:E-commerce & direct-to-consumer
  4. 業種別で2位:Mobile & telecommunications
  5. 業種別で第3位:Hardware
  6. 業種別の第4位:Artificial intelligence、Auto & transportation、Edtech
  7. 業種別ランキングから見えてくる「熱い分野」

ユニコーン数、国別では中国では第2位(118社)

ユニコーン企業数で2位の中国!勢いのある業種はどこ?
(画像=BullRun/stock.adobe.com)

まず、495社を順位付けしているCBインサイツのユニコーン時価総額ランキングから、国別のユニコーン企業数を紹介していこう。結果は以下のとおり、アメリカは首位で239社、中国がそれに続いて118社で2位となっている。

第1位:アメリカ(239社)
第2位:中国(118社)
第3位:インド(24社)
第4位:イギリス(23社)
第5位:ドイツ(12社)
第6位:韓国(11社)
第7位:ブラジル(7社)
第7位:フランス(7社)
第7位:イスラエル(7社)
第10位:インドネシア(5社)

ちなみに日本はトップ10には入らなかったが、4社で第11位となっている。

ユニコーン企業を業種で分類した結果は?

続いて中国のユニコーン企業を業種で分類してみる。

第1位:E-commerce & direct-to-consumer(25社)
第2位:Mobile & telecommunications(13社)
第3位:Hardware(12社)
第4位:Artificial intelligence(11社)
第4位:Auto & transportation(11社)
第4位:Edtech(11社)
第7位:Internet software & services(8社)
第8位:Supply chain, logistics, & delivery(7社)
第9位:Fintech(5社)
第9位:Health(5社)

業種別で1位:E-commerce & direct-to-consumer

業種のトップは「E-commerce & direct-to-consumer」で25社となっている。EC(電子商取引)事業のほか、企業が商品を直接消費者に届ける「D2C」に取り組む企業たちだ。この中で企業価値が最も高いのが「SHEIN」で、中国発祥の通販サイトとしてグローバルで事業を展開している。

<中国ユニコーン(E-commerce & direct-to-consumer編)>
SHEIN(時価総額150億ドル)
Chehaoduo(時価総額90億ドル)
Ziroom(時価総額66億ドル)

業種別で2位:Mobile & telecommunications

第2位は「Mobile & telecommunications」で13社だ。ここには動画アプリやフィットネスアプリなどを展開する企業が含まれる。近年は次世代通信規格「5G」を活用した事業に力を入れる新興企業も中国国内で増えており、この業種のユニコーンは今後さらに増えていきそうだ。

この業種内における中国ユニコーンの時価総額1位は「Kuaishou(快手)」だ。動画共有アプリを展開しており、TikTokを運営するBytedanceに負けまいと、新たなユーザーの獲得に力を入れている。

<中国ユニコーン(Mobile & telecommunications編)>
Kuaishou(時価総額180億ドル)
Yixia(時価総額30億ドル)
Meicai(時価総額28億ドル)

業種別で第3位:Hardware

第3位は「Hardware」で12社となっている。ドローンの機体を開発している企業のほか、ビットコインの採掘(マイニング)アプリ用の集積回路チップを開発しているユニコーンなどがある。

この業種内の時価総額1位が「DJI Innovations」だ。ユニコーンながらドローン分野で世界的大手企業となっており、2016年には正規販売店を新宿でオープンさせている。

<中国ユニコーン(Hardware編)>
DJI Innovations(時価総額150億ドル)
Bitmain Technologies(時価総額120億ドル)
Royole Corporation(時価総額60億ドル)

業種別の第4位:Artificial intelligence、Auto & transportation、Edtech

第4位タイとなっているのが「Artificial intelligence」と「Auto & transportation」、「Edtech」の3業種で、それぞれユニコーンが11社ある。

特に注目したいのが、Auto & transportationに分類されるライドシェア最大手の「Didi Chuxing」だ。近年は自動運転技術の開発にも力を入れており、すでに自動運転タクシーの実証実験にも取り組んでいる。

<中国ユニコーン(Artificial intelligence編)>
Bytedance (時価総額1,400億ドル)
SenseTime (時価総額75億ドル)
MEGVII(時価総額40億ドル)

<中国ユニコーン(Auto & transportation編)>
Didi Chuxing(時価総額620億ドル)
WM Motor(時価総額50億ドル)
Hello TransTech(時価総額50億ドル)

<中国ユニコーン(Edtech編)>
Yuanfudao(時価総額150億ドル)
VIPKid(時価総額45億ドル)
Zuoyebang (時価総額20億ドル)

業種別ランキングから見えてくる「熱い分野」

業種別に中国のユニコーンを分析すると、いま熱い分野が見えてくる。現在はトップ10圏外の「Data management & analytics」のユニコーンも、今後ビッグデータ分析が注目される機会が増えれば、増加する可能性もあるだろう。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)