テレワークの拡大で一段とITの活用が進み、社内にはさらに膨大なデータが蓄積されつつある。そのデータを的確に、安全に管理していくためには、データベースソフトが必要となる。

データベースソフトでは、データを整理・収集し、関連付けて蓄積しておくことができる。さらに、データの加工や分析、異なるアプリケーション間でのデータの共有なども可能となる。データのバックアップ機能もあり、不測の事態からデータを守ることもできる。

データベースソフトでは、必要な情報をすぐに見つけることができるため、業務の効率化はもちろん、社内のデータを重要な資産として活用することができる。

今回は、データベースソフトのメリットとデメリット、さらには選び方のポイント、主なデータベースソフトなどを紹介する。

目次

  1. データベースソフトとは?
    1. データベースソフトのメリット
    2. データベースソフトのデメリット
  2. データベースソフト、7つの選び方のポイント
  3. 無料のデータベースソフトはダメ?有料ソフトとの違いは?
  4. 定番データベースソフト5選
  5. 最適なデータベースソフトで業績アップを
    1. プロフィール

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データベースソフトとは?

データベースソフトとは?選び方の7つのポイントやメリット・デメリットを解説
(画像=PIXTA)

データベースソフトとは、データを安全に整理蓄積するだけでなく、必要なときに効率的に検索できてあらゆる業務へデータを活用できるソフトウェアのことだ。

今日では、情報データは企業にとって重要な経営資産となっている。 そのデータを安全に保存しておくためのソフトとしてデータベースソフトに注目が集まっている。データベースソフトのメリットとデメリットを整理してみた。

データベースソフトのメリット

・データ編集が簡単にできる

パソコン作業をしていると、保管しておいたデータをすぐに見つけ出せずに、あちこちのファイルを開いて、時間を浪費してしまうケースも多くある。 データベースソフトでは、膨大なデータが検索・編集しやすい形で保管されているため、ユーザーがデータの保存場所を知らなくても、目的のデータをすぐに見つけ出し、簡単に編集することができる。データが膨大であればあるほど、このメリットが活きてくる。

また、データベースソフトでは、望みの条件を設定することで、必要なデータを抽出して自動で分析することもできる。複数のデータを元にした分析が可能で、企業戦略に不可欠なデータの分析が、簡単に行える。

・データを壊さずに同時アクセス可能

企業活動の中では、複数の社員がそれぞれ同時に同じデータにアクセスし、編集や更新作業を行うという場面も出てくる。そんなケースでも、データベースソフトには、あるユーザーが情報を更新している間には、他のユーザーのデータ更新を止める機能が搭載されており、複数人が同時にデータにアクセスしても整合性が崩れないように工夫されている。

こうした機能により、効率的に業務が行えるだけでなく、データベースには常に最新のデータが保存されているという状態が保たれることになる。

・定期的にバックアップしてくれる

データベースソフトでは、データを自動的にバックアップする機能も備わっている。編集が容易な電子データは、同時に消失してしまうリスクを伴う。

人的なミスだけでなく、ハードウエア・ソフトウエアの障害、災害などでデータが消えてしまう場合もある。さらに、ハッキングなどの犯罪行為でデータを盗み取られてしまう危険性もある。

そうした万一の場合に備えて、データベースソフトには、最新のデータを定期的にバックアップして保存しておく機能が搭載されている。

データベースソフトのデメリット

・ただデータを集めて分析するのみ

膨大なデータを整理して保存できるデータベースソフト。欲しいデータを自動的に抽出して分析させることもできる。しかし、その分析結果を事業にどのように活用していくかはユーザーの判断にゆだねられている。

データベースソフトは、社内各セクションのデータを網羅的に保存してくれる「器」であると考えておくべきで、その「器」をどのように活用するかは利用者に任されている。

・ものによっては高価な費用がかかる

市場には無料のデータベースソフトもあるが、データベースソフトの導入と構築には多少なりとも経費が必要となってくる。どのようなデータベースを構築するか、どのように活用したいのかによって、かかる費用は大きく違ってくる。

データベースソフトで、どのようなことを実現したいのか。それによっては、導入と保守に大きな費用が発生してくる場合もあるので注意が必要だ。

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データベースソフト、7つの選び方のポイント

データベースソフトには、さまざまな種類がある。ベンダーによって、コストも提供形態も異なっている。自社にとって、どのデータベースソフトがベストなのか。ここではデータベースソフトを選ぶ際の7つのポイントを解説する。

データベースソフトの機能とコスト データベースソフトの導入コストは、求める機能のレベルによって大きく異なってくる。導入前に、自社ではどのような機能が必要なのかを見極めておくことが重要だ。利用者数、保存するデータの量、保存期間などによっても経費が異なる。また、求めるセキュリティのレベルによっても、金額が違ってくる。

コストとしては、ライセンス料や利用料金だけでなく、カスタマイズの費用、導入後の社員教育の費用、保守・管理の人件費なども含めたトータルコストオブオーナーシップで考えておく必要がある。

2.自社で取り扱うデータの量 データベースソフトの導入にあたっては、管理しておきたいデータの量を見積もっておくことが大切だ。使用開始後にディスク容量が不足した場合、拡張も可能だが、費用も手間もかかってしまう。あらかじめ自社で保存するデータ量を予測して、それに応じた容量でデータベースを設計しておく必要がある。

将来的にデータ量の拡大が予測される場合には、拡張性に優れたデータベースソフトを選んでおくことも重要だ。

自社の業務に特化しているか データベースソフトの導入は、データを保存しておくだけでなく、そのデータを活用して業務を効率化し、経営戦略の立案に役立てることが目的だ。そのためには、自社の業務に最も適したデータベースを選んでおきたい。特定の業務に特化したデータベースソフトも数多く登場している。そうした特化型のデータベースソフトは、多少のカスタマイズだけで、自社の業務内容に適したデータベースに仕上げることができる。

4.自社エンジニアとのバランス データベースソフトの導入にあたっては、自社のITエンジニアのスキルを考えおかなければならない。高機能なデータベースソフトには、高度なスキルを持つITエンジニアが必要となる。データベースの機能に、自社のエンジニアのスキルレベルが見合っていることが肝心だ。

スキルを持ったエンジニアを育成していくこともできるが、導入時にベンダーのスキルを測ることができるのは、高いITスキルを持つエンジニアであることも確かだ。

5.データベースソフトの提供形態 自社のITエンジニアのスキルレベルと共に、ベンダーがどのような形態でデータベースソフトを提供しているのかも選択のポイントとなる。自社で整備できる運用体制を考えたうえで、データベースソフトを選ばなければならない。

データベースは高機能であればあるほど、スキルの高いITエンジニアや高度なベンダー・サポートが必要となってくる。そこまで考慮して、データベースソフトを選ぶ必要がある。

6.セキュリティが厳重か 前述したとおり、データベースソフトにはデータ消失や改ざん、漏えいなどのリスクがある。データベースに保存されるデータは企業の機密情報であり、貴重な情報資産でもある。そこで、データベースソフトのセキュリティ対策が重要なポイントとなってくる。万全なセキュリティ機能を備えたデータベースソフトを精査して、決めていきたい。

7.サポート体制が整っているか データベースソフトの導入は、ゴールではなくスタート地点にすぎない。導入後に、どのように活用し成果を上げていくかが重要となってくる。運用の過程では、さまざまなトラブルや疑問が出てくることが予想される。そこで、ベンダーのサポート体制が重要となってくる。迅速で丁寧なサポートが受けられるかどうかもチェックしておく必要がある。

無料のデータベースソフトはダメ?有料ソフトとの違いは?

データベースソフトには、無料のソフトと有料で提供されるソフトがある。どちらも基本的な機能は同じであるため、小規模なデータベースであれば、無料ソフトであっても、有料であっても、大きな差はない。しかし、データスケールが大きくなるに従い無料ソフトを使いこなすためには高度なITスキルが必要となってくる。

社内のITエンジニアのスキルレベルが高ければ、無料ソフトでも使いこなせるが、そこまで高くない場合は有料のソフトでベンダーのサポートを受けられる体制を整えておくことが安心につながる。

定番データベースソフト5選

市場で定評のある5つのデータベースソフトを紹介する。

1.MySQL 世界で最も普及しているオープンソースデータベースである。Windowsをはじめ、Linux、UNIXなどさまざまなOSに対応しており、個人のユーザーから世界的な大企業にまで導入されている。処理が高速で、使いやすいため、データ件数の多い処理にも対応できる。 Webサービスとの相性が良く、Webサービスの開発が容易な点も特徴である。

2.SQLite SQLiteは、世界で最も多く使用されている組み込み型のSQLデータベースエンジンである。容量が小さくコンパクトで、高速処理が特徴。サーバーにソフトをインストールする必要はなく、アプリケーションに組み込んで利用する。構造がシンプルであるため、バックアップが容易で、データベース構成の変更にも柔軟に対応できる。

3.PostgreSQL 商用でも無償で使えるオープンソースのリレーショナルデータベースだ。多彩な機能を誇り、拡張性にも優れている。ITエンジニアのいる企業向けだが、エンジニアのいない企業のために有償ライセンスでサポートが提供されている。ハードウエアがなくても動作が可能なため、テスト環境で簡単に利用をスタートさせることもできる。

4. Microsoft Access Windows PC専用のデータベースソフトで、マイクロソフトのオフィスに含まれている。ビジネスに最も適した形式で簡単にデータベースアプリを作成することができる。直感的なデザインで、専門知識がなくても容易に使いこなすことができる。サーバーに接続せずに単体のPCで動作するため、複数のユーザーでデータを一元的に管理することはできない。

5. kintone サイボウズが提供しているWebデータベース型の業務アプリ構築クラウドサービスである。ドロップ&ドラッグの操作ができれば、ITの専門知識がなくてもノンプログラミングでデータベースが作成できる。すぐに利用できるテンプレートも多彩で、ほとんどの業種に活用できる。業務内容が変わった場合でも、誰でも容易にシステムを変更することができる。

最適なデータベースソフトで業績アップを

急激にITの活用が進む現代社会においては、データベースソフトの導入は不可欠だ。まず、データベースソフトのメリットとデメリットをふまえたうえで、データベースソフトの特徴を理解しておくことが大切だ。

市場には、さまざまなデータベースソフトが提供されているが、自社の規模と業務内容、さらには将来展望までを見据えてベストな選択をしていくことが重要だ。

データベースソフトの導入は、業務の効率化、経営戦略の立案にも直結している。慎重に検討したうえで、果敢に導入していくことが、企業の将来に明るい光を投げかけていくことになる。

文・野口和義(野口コンサルタント事務所代表)

プロフィール

データベースソフトとは?選び方の7つのポイントやメリット・デメリットを解説
(画像=野口和義 氏)

野口 和義 (のぐち かずよし)

野口コンサルタント事務所代表。1983年生まれ。茨城大学情報工学科卒業。中小企業診断士、行政書士、経営革新等支援機関。 最大手ファーストフードチェーンでのマネジメント経験を活かし、組織改革・人事制度・事業計画策定を中心に中小企業の支援に奔走している。 持ち前のホスピタリティの高さから、顧客対応などの面でもお客様から高い評価を得ている。