クレジットカードの付帯保険は、日常生活からビジネスまであらゆるシーンで活用できる。付帯保険の補償内容や保険金を受け取れる場合のケーススタディを紹介。 付帯保険を活用したい人や、クレジットカードを作ろうと検討している人は参考にしてほしい。

目次

  1. クレジットカードを作るなら把握しておきたい付帯保険の内容
  2. クレジットカードの付帯保険の種類を解説
    1. 海外・国内旅行傷害保険の補償内容
    2. ショッピング安心保険の補償内容
  3. クレジットカードによって補償内容や補償金額は異なる
  4. 海外・国内旅行傷害保険が使えるケース
    1. 海外出張中に交通事故に遭った
    2. 海外旅行でお店の商品を壊してしまった
    3. 国内旅行中にホテルで火災が発生し、通院が必要になった
  5. ショッピング安心保険が使えるケース
    1. クレジットカードで購入したカバンを盗まれてしまった
    2. クレジットカードで購入したカメラが火災によって壊れてしまった
  6. 保険が自動付帯か利用付帯かを確認しておく
  7. クレジットカードを作るなら付帯保険の内容も考慮して検討したい
木崎 涼
木崎 涼(きざき・りょう)
簿記・FP・M&Aシニアエキスパート。大手税理士法人で多数の資産家の財務コンサルティングを経験。多数の資格を持ちながら、執筆業を中心に幅広く活動している。

>>会員登録して限定記事・イベントを確認する

クレジットカードを作るなら把握しておきたい付帯保険の内容

トラブルはクレジットカードで解決。把握するべき付帯保険の補償内容
(画像=Rymden/stock.adobe.com)

クレジットカードの付帯保険とは、クレジットカード会社がクレジットカードの所有者に提供するサービスのひとつだ。

クレジットカードの付帯保険といえば、海外・国内旅行の際の傷害保険やショッピングに関する保険が代表的だ。加えて、クレジットカードの種類によってはその他さまざまな保険が付帯される場合もある。

付帯保険の補償内容は、クレジットカードの発行会社やクレジットカードの種類によって異なる。また、同じブランドであっても、年会費が安い一般カードより年会費の高いゴールドやプラチナカードのほうが補償内容は充実している傾向がある。

クレジットカードの付帯保険を有効活用すれば、国内外への出張などビジネスシーンでも大きなメリットを享受できるだろう。クレジットカードを作るなら、年会費やステータス性以外に、付帯保険の内容もしっかりとチェックしておくことが重要だ。

>>会員登録して限定記事・イベントを確認する

クレジットカードの付帯保険の種類を解説

クレジットカードの種類ごとに違いはあるが、クレジットカードの付帯保険のうち代表的なのは「海外・国内旅行傷害保険」と「ショッピング安心保険」の2種類だ。

ここからは、それぞれの付帯保険の補償内容をさらに詳しく紹介していく。

海外・国内旅行傷害保険の補償内容

「海外・国内旅行傷害保険」が付帯されている場合、旅行中に下記のようなトラブルが起きた時、補償が受けられる可能性がある。

<海外旅行傷害保険> ・偶然の事故でケガを負い、期間内に死亡してしまったとき ・偶然の事故でケガを負い、後遺障害が生じたとき ・偶然の事故でケガを負い、意志の治療を受けたとき ・偶然の事故で他人にケガを負わせ、損害賠償責任が発生したとき ・偶然の事故で他人の物を壊してしまい、損害賠償責任が発生したとき ・現金、小切手、クレジットカード、定期券、コンタクトレンズ等の携行品が、火災によって損害を受けたとき ・現金、小切手、クレジットカード、定期券、コンタクトレンズ等の携行品を盗まれ、損害が発生したとき ・事故により遭難してしまったとき ・病気により死亡したとき ・航空機を乗り継ぐ予定が、乗り継ぎの遅延が発生したとき ・搭乗予定の航空機の遅延や欠航で搭乗できなかったとき ・航空会社に預けた手荷物が運搬されず、目的地で必需品を購入したとき

<国内旅行傷害保険> ・旅館やホテル等の宿泊施設に滞在中、火災や破裂、爆発等でケガをしたとき、入院したとき、手術したとき ・募集型企画旅行に参加中、ケガをしたとき、入院したとき、手術したとき

クレジットカードの海外旅行傷害保険があれば、海外旅行や海外出張でトラブルに見舞われた時、補償を受けられる可能性がある。

クレジットカードの種類によっては、海外で病気やケガ、トラブルで困った際に、緊急の医療手配やトラブル相談を請け負ってくれる日本語対応のホットラインを設置しているケースもある。トラブルの際にも、相談しながら対処できるため安心だ。

クレジットカードの国内旅行傷害保険も、海外と比べれば補償を受けられる項目は減るが、トラブルの際には心強い存在となるだろう。

使う機会がないのが一番だが、万一の際に補償が受けられるということを覚えておくとようにしたい。

ショッピング安心保険の補償内容

旅行傷害保険と同じく、ショッピング安心保険が付帯されているクレジットカードも多い。

ショッピング安心保険とは、クレジットカード会員が国内外でクレジットカードを利用して購入した物品が、偶然の事故で損害に遭った場合に適用される保険だ。偶然の事故とは、火災・破裂・爆発・破損・盗難などを指す。

ショッピング安心保険があれば、旅行中も安心してショッピングを楽しめるだろう。

ただし、個人の過失による紛失・置き忘れの場合や、自然災害による損害である場合など、損害を受けた理由によって補償対象から外れることがある。

また、クレジットカードで購入したすべての物品が補償対象になるわけではない。航空券や自動車、義歯など、補償対象にならない物品もあるため、付帯保険の内容をよく確認しておくようにしたい。

クレジットカードによって補償内容や補償金額は異なる

海外・国内旅行傷害保険やショッピング安心保険が付いているケースでも、クレジットカードの種類によって補償内容や補償額が異なることを知っておこう。

たとえば、海外で病気になり、医師の診察を受けたときに補償される費用について、上限300万円という付帯保険もあれば、上限100万円という付帯保険もある。同じシチュエーションでも、カードの種類によって補償額が異なる設定となっている可能性があるのだ。

このように、クレジットカードの種類によって補償内容は大きく変わるため、カードを作る際は補償額までしっかりチェックしておくと安心だ。また、年会費が安いカードの場合、そもそも目当ての付帯保険が付いていないケースもあるため、注意したい。

海外・国内旅行傷害保険が使えるケース

続いて、海外・国内旅行傷害保険が使えるモデルケースをみていこう。

海外出張中に交通事故に遭った

海外出張中に、思わぬ事故に巻き込まれてしまうこともある。経営者であるAさんは、海外出張中、強引な運転をする車と接触し、交通事故に遭った。腕を骨折したAさんは、とっさにクレジットカードの付帯保険に加入していたことを思い出した。

事故受付デスクに電話をすると、日本語のスタッフから「どうされましたか?」と聞かれた。周りでは英語が飛び交っている中、日本語を聞いたAさんの胸に、安心感が広がった。Aさんが事故の状況を手短に話すと、スタッフが手早く近くの医療機関を手配してくれた。

Aさんは無事に現地の医療機関で、治療を受けることができた。事故受付デスクが手配してくれた医療機関ということもあり、海外の医療機関であっても安心して治療を受けられた。

医療機関を受診したことから、Aさんは帰国日を1日ずらすことになった。そのため、宿泊費と交通費が追加で必要になった。Aさんが改めて付帯保険の補償内容を確認したところ、治療費だけでなく、治療により必要となった宿泊費や交通費も、上限額以内であれば補償されることがわかった。

Aさんは安心して眠り、帰国後に速やかに補償を受けることができた。

海外旅行でお店の商品を壊してしまった

海外旅行が好きなBさんは、現地の珍しい特産品を取り扱うお店を見学していた。高級品が並ぶお店で、ウィンドウショッピングのつもりだったBさんだが、誤ってお店の商品を壊してしまった。

いかにも高級そうな商品が粉々になったのを見て、Bさんは気が動転した。しかし、クレジットカードの付帯保険があることをとっさに思い出したBさんは、事故受付デスクに電話をした。

電話でその場の対応についてアドバイスを受け、Bさんはお店に謝罪し、損害賠償金の相談をした。保険会社の承認を得た上で、Bさんは帰国。クレジットカードの付帯保険に加入していたため、Bさんは支払った損害賠償金200万円について、無事に補償を受けることができた。

国内旅行中にホテルで火災が発生し、通院が必要になった

Cさんが国内旅行を楽しんでいる最中に、ホテルで火災が発生した。避難中、Cさんはケガをしてしまい、その後一週間以上、通院しなければならなくなった。

Cさんはクレジットカードの付帯保険に加入していたことを思い出した。そこで、保険会社に問い合わせたところ、補償対象になるとのことだった。Cさんは日額3,000円を通院治療費として受け取ることができ、医療費の負担は大きく軽減された。

また、経済的な打撃を最小限に抑えられたことで、心情的にも安心して治療に専念できた。

ショッピング安心保険が使えるケース

続いて、ショッピング安心保険が使えるモデルケースを紹介する。

クレジットカードで購入したカバンを盗まれてしまった

経営者のAさんは、仕事で使うため、高品質なカバンをクレジットカードで購入した。しかし後日、急病を装った悪質な手口で、カバンを盗まれてしまった。

カバンには幸い仕事につながる書類等は入っていなかったが、買ったばかりのカバンだったため、Aさんは気分が沈んだ。帰宅後、ふと思いついてクレジットカードの付帯保険を確認したところ、ショッピング安心保険が付帯されていた。

Aさんが早速保険会社の窓口に問い合わせたところ、補償対象になるとのことだった。カバンの購入にかかった費用が全額補償されたことで、Aさんは同じカバンを再び購入できた。

クレジットカードで購入したカメラが火災によって壊れてしまった

写真が趣味のBさんは、ずっとほしいと思い狙っていたカメラをクレジットカードで購入した。Bさんは旅先にカメラを持参して撮影を楽しんでいたが、ある時、旅先のレストランで運悪く火災に遭ってしまった。あわてて避難する中で、かさばるカメラが邪魔になり、Bさんはカメラを手放さざるをえなかった。

幸いケガはなかったものの、大切なカメラがなくなってしまい、Bさんは落ち込んだ。しかし、Bさんはすぐにクレジットカードの付帯保険の存在を思い出した。問い合わせて手続きを行い、無事に補償を受けることができたBさんは、お気に入りのカメラをもう一度買うことができた。

保険が自動付帯か利用付帯かを確認しておく

トラブルになった際に心強い味方になってくれる付帯保険。

クレジットカードの付帯保険には、「自動付帯」と「利用付帯」の2種類がある。自動付帯とは、クレジットカードを所有しているだけで自動的に適用される保険のことだ。一方、利用付帯とは「旅行代金や物品の購入費用を当該クレジットカードで支払っている」といった条件付きで適用される付帯保険のことだ。

付帯保険のついたクレジットカードを所有しているなら、自動付帯か利用付帯かはきちんと確認しておきたい。これからクレジットカードを作る予定の人も、自動付帯か利用付帯かを加入時に確認しておくと安心だ。

クレジットカードを作るなら付帯保険の内容も考慮して検討したい

せっかく新しくクレジットカードを作るなら、付帯保険の内容に注目してみるのもいいだろう。旅行や出張の機会が多い人や、カードで買い物をすることが多い人は、年会費が高くても付帯保険があるほうがトータルで考えればお得ということも少なくない。

付帯保険を賢く活用すれば、さまざまなトラブルにも落ち着いて対処でき、条件に応じて補償を受けられる。

経営者である以上、身の回りのさまざまなリスクに気を配っておくことが大切だ。クレジットカードの付帯保険は、備えのひとつとして、効果を発揮するだろう。

文・木崎涼(ファイナンシャルプランナー)