クレジットカードでの商品購入の際に、分割払いが可能な「リボ払い」は、事業用備品の同時購入などの際に役立つ。しかし、リボ払いは事業を圧迫する要因にもなり得る。意外と知らないリボ払いの仕組みやメリットやデメリットを、具体例を交えながら解説。

目次

  1. リボ払いとはどういった仕組みなのか
    1. リボ払いの支払い方式
  2. リボ払いのメリットとデメリット
    1. リボ払いのメリット
    2. リボ払いのデメリット
  3. リボ払いを検討する前に知っておきたい注意点
    1. リボ払いの注意点1:支払い期限が伸びる可能性が高い
    2. リボ払いの注意点2:手数料を事前に把握する
    3. リボ払いの注意点3:返済は先延ばしにしない
  4. 使用法に注意!最適なシーンでリボ払いを活用する
鴨志田大輔
鴨志田大輔
ファイナンシャルプランナー。大学卒業後、広告代理店に入社。社会人生活をする中で、自分のお金の知識が高くない事を感じ、お金の知識をより持っている方が人生が豊かになると痛感。人生をより幸せで豊かにする為にお金の知識を持ちたい気持ちが強くなり、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。現在は、初心者の方が見て、分かりやすい記事を作成する事でお金の知識を発信することに注力している。

>>会員登録して限定記事・イベントを確認する

リボ払いとはどういった仕組みなのか

実はメリットもある?リボ払いの知っておきたいポイント
(画像=fizkes/stock.adobe.com)

リボ払いとは「リボルビング払い」の略であり、クレジットカードの支払い方法の一つだ。リボ払いの他にも、クレジットカードの支払い方法には、一括払いや分割払いなどもある。

リボ払いは、クレジットカードの利用金額や利用件数を、あらかじめ設定した一定の金額にして月々支払う方式だ。一見類似した支払い方法である分割払いは、カード利用時に利用金額の支払い回数を選んで、回数分だけ分割して毎月支払う方式である。つまり軸となるものが以下のように違う。

リボ払い:支払額を軸に支払う 分割払い:支払い回数を軸に支払う

リボ払いは毎月の支払額を自身で確定させることができるので、月々の出費が把握しやすい。一方で分割払いは支払回数を確定させるので支払いの終了月がいつかを決めることができる。リボ払いと分割払いのメリットとデメリットを理解して、どちらを選択するのがよいかを考えたい。

リボ払いの支払い方式

リボ払いには「定額方式」「定率方式」「残高スライド方式」の3種類の支払い方式があり、その違いは下記の通り。

(1)定額方式

金利によって支払い残高が増加しても、毎月支払う金額を一定に保つ方式だ。大きな買い物をして支払い残高が増えても、自分で設定した支払い金額を支払い続けられる。ただし、設定した支払い金額が低ければ、返済期間が長期化して手数料が大きくなる傾向が高い。

(2)定率方式

定額方式は金額を固定して支払い続けるが、定率方式は支払い残高に対する支払い割合を固定して返済する方式だ。

(3)残高スライド方式

あらかじめ決められている支払い残高によって、毎月支払う金額が自動的に決まる方式だ。例えば、支払い残高20万円までは2万円支払うといったように定められる。

残高スライド方式の場合、自分で毎月の支払い金額を設定しなくとも、支払い残高によって毎月の返済金額が自動的に決まるので、支払い金額を増やしたい場合などは都度確認が必須だ。

>>会員登録して限定記事・イベントを確認する

リボ払いのメリットとデメリット

リボ払いに対してネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれないが、リボ払いという支払い方法が存在している以上は、メリットとデメリットの両方がある。

リボ払いのメリット

リボ払いのメリットは、一度に支払う金額を抑えられることである。

事業活動をしている中で、外部要因の影響でクレジットカードによる出費が重なってしまうこともあるだろう。特にこれから事業を開始しようと考えているかたにとっては初期費用の金額は大きな支出だ。その際に、一気に返済額を引き落とされてしまうと、経営を圧迫してしまうことになりかねない。

リボ払いであれば、出費がやむを得ず重なってしまう場合でも、毎月の支払い金額を自分の思うようにコントロールできる。あくまでも返済を先伸ばしていることを忘れてはいけないが、短期的に支払いをコントロールできる点は、リボ払いの最大のメリットだ。

また、極論だが、手元にお金がなくても商品を購入することが可能だ。どうしてもこの瞬間に購入したいものがある人にとって、リボ払いがそんな場面を救ってくれることがあるのは事実だ。また、経営者の場合は、リボ払いを活用することで資金繰りが安定し、事業計画が立てやすくなる場合もある。

リボ払いのデメリット

リボ払いの最大のデメリットは、高額な利息がかかることである。

当たり前だが、リボ払いには金利がかかる。リボ払いの金利は共通ではなく、クレジットカードによって異なる。リボ払い時の返済金額を低く設定してしまうと、支払い期間が長期化して利息が膨らむため、いつまでたっても返済が終わらない現象が起きる。

あくまでも今目の前にお金がないにも関わらず支出を増やしその時は備品なども購入できているが身の丈に合っていない支出を増やすことで返済がずっと続いてしまう可能性が高い。

リボ払いを検討する前に知っておきたい注意点

リボ払いに関しては、デメリットの面が大きい。リボ払いのメリットとして挙げた点は、あくまでも最終手段であり、根本的な問題はリボ払いを利用しないような家計管理だ。

ただし、どうしてもリボ払いを利用しないといけない時もあるかもしれない。そんな時に絶対に知っておきたい注意点を解説する。

リボ払いの注意点1:支払い期限が伸びる可能性が高い

そもそもリボ払いを利用するということは、手元に資金がないにも関わらず事業用備品などを購入し、収入よりも支出が多い可能性が高い。そのため、リボ払いの返済額を低く設定してしまう事態に陥りやすい。

リボ払いには金利が掛かるが、毎月の返済金額を低く設定していると、支払い金額のほとんどを手数料が占めてしまい、元金の割合が支払い金額の半分もないという現象も起こり得る。そうなってしまえば、リボ払いの返済期限が数年にもなってしまうので、注意が必要だ。

返済金額の設定によってリボ払いは有効活用できるケースもあるので決して返済金額を低く設定しすぎないことがポイントだ。返済金額の変更は各クレジットカード会社によって異なるが難しい操作は必要無い。返済できるお金が準備できたら返済金額を増額したり、繰り上げ返済を活用することが重要だ。

リボ払いの注意点2:手数料を事前に把握する

リボ払いを軽く見てはいけない。毎月の返済金額を少額にすることで、さまざまな商品を同時購入できてしまうが、返済で痛い目を見ることになる。

ここでは、リボ払いを利用した時に、実際にどのぐらいの手数料や返済期間になるのか、以下の条件で2つのシミュレーションケースを解説する。

利用予定金額 1,000,000円
手数料率(実質年率) 15.00%
利用日 2020年12月20日
支払い日 27日
支払い方法 リボ
支払いコース 定額方式

・ケース1:定額方式の返済額が2万円の場合

100万円の商品を購入したのにも関わらず、返済金額が2万円と低額の場合、返済の期間や支払い総額がどのぐらいになるか想像がつくだろうか。

回数 支払い月 支払い額 手数料 元金 元金残
1 2021年1月 20,000円 12,734円 7,266円 992,734円
2 2021年2月 20,000円 12,647円 7,353円 985,381円
3 2021年3月 20,000円 11,338円 8,662円 976,719円
4 2021年4月 20,000円 12,443円 7,557円 969,162円
5 2021年5月 20,000円 11,948円 8,052円 961,110円
6 2021年6月 20,000円 12,244円 7,756円 953,354円
7 2021年7月 20,000円 11,753円 8,247円 945,107円
8 2021年8月 20,000円 12,040円 7,960円 937,147円
9 2021年9月 20,000円 11,938円 8,062円 929,085円
10 2021年10月 20,000円 11,454円 8,546円 920,539円
11 2021年11月 20,000円 11,727円 8,273円 912,266円
12 2021年12月 20,000円 11,247円 8,753円 903,513円
13 2022年1月 20,000円 11,510円 8,490円 895,023円
14 2022年2月 20,000円 11,402円 8,598円 886,425円
15 2022年3月 20,000円 10,199円 9,801円 876,624円
16 2022年4月 20,000円 11,167円 8,833円 867,791円
17 2022年5月 20,000円 10,698円 9,302円 858,489円
18 2022年6月 20,000円 10,936円 9,064円 849,425円
19 2022年7月 20,000円 10,472円 9,528円 839,897円
20 2022年8月 20,000円 10,700円 9,300円 830,597円
60 2025年12月 20,000円 4,329円 15,671円 335,519円
61 2026年1月 20,000円 4,274円 15,726円 319,793円
62 2026年2月 20,000円 4,074円 15,926円 303,867円
63 2026年3月 20,000円 3,496円 16,504円 287,363円
64 2026年4月 20,000円 3,660円 16,340円 271,023円
65 2026年5月 20,000円 3,341円 16,659円 254,364円
66 2026年6月 20,000円 3,240円 16,760円 237,604円
67 2026年7月 20,000円 2,929円 17,071円 220,533円
68 2026年8月 20,000円 2,809円 17,191円 203,342円
69 2026年9月 20,000円 2,590円 17,410円 185,932円
70 2026年10月 20,000円 2,292円 17,708円 168,224円
71 2026年11月 20,000円 2,143円 17,857円 150,367円
72 2026年12月 20,000円 1,853円 18,147円 132,220円
73 2027年1月 20,000円 1,684円 18,316円 113,904円
74 2027年2月 20,000円 1,451円 18,549円 95,355円
75 2027年3月 20,000円 1,097円 18,903円 76,452円
76 2027年4月 20,000円 973円 19,027円 57,425円
77 2027年5月 20,000円 707円 19,293円 38,132円
78 2027年6月 20,000円 485円 19,515円 18,617円
79 2027年7月 18,846円 229円 18,617円 0円

※あくまでもシミュレーションなので実際の返済額と異なる部分もある

支払い完了には約7年間が必要で、総額で約160万円かかる計算になる。100万円の商品を購入して、160万円を支払っているのだ。リボ払いは気づいた時には莫大な支払い金額になってしまうことがあり、定期的に繰り上げ返済や毎月の返済金額の見直しをおすすめする。

・ケース2:定額方式の返済金額が8万円の場合

ケース1のシミュレーション条件の返済金額を、2万円から8万円に増額した場合は、下記の返済プランになる。

回数 支払い月 支払い額 手数料 元金 元金残
1 2021年1月 80,000円 12,734円 67,266円 932,734円
2 2021年2月 80,000円 11,882円 68,118円 864,616円
3 2021年3月 80,000円 9,949円 70,051円 794,565円
4 2021年4月 80,000円 10,122円 69,878円 724,687円
5 2021年5月 80,000円 8,934円 71,066円 653,621円
6 2021年6月 80,000円 8,326円 71,674円 581,947円
7 2021年7月 80,000円 7,174円 72,826円 509,121円
8 2021年8月 80,000円 6,486円 73,514円 435,607円
9 2021年9月 80,000円 5,549円 74,451円 361,156円
10 2021年10月 80,000円 4,452円 75,548円 285,608円
11 2021年11月 80,000円 3,638円 76,362円 209,246円
12 2021年12月 80,000円 2,579円 77,421円 131,825円
13 2022年1月 80,000円 1,679円 78,321円 53,504円
14 2022年2月 54,185円 681円 53,504円 0円

※あくまでもシミュレーションなので実際の返済額と異なる部分もある

支払い回数は79回から14回に減り、支払い総額も約110万円と50万円ほど低くなる。この比較で、いかに毎月の支払い金額を低く設定したリボ払いの最終的な金額の負荷が高いかわかるだろう。リボ払いの怖いところは、毎月の返済金額を低く設定していると返済金額が統一されることで返済に対する意識が低くなることだ。

あくまでもリボ払いは高い金利でお金を借りている事に過ぎない。ケース1とケース2で比較した通り毎月の返済金額を増やすことで数年の返済期間を短縮できる。

リボ払いの注意点3:返済は先延ばしにしない

リボ払いは気づいた時には手数料が膨らんでいるケースが多い。そんな状態になってから返済資金を工面するよりも普段から繰り上げ返済を心がけるべきだ。クレジットカードによっては、わざわざATMに出向いて返済しなくても、インターネットから気軽に繰り上げ返済をすることが可能だ。

返済金額を毎月設定し直すこともできるので、少しでも生活や経営をする中で余裕が生まれたら、リボ払いの返済を第一優先させるべき。絶対に期日を伸ばさないようにしたい。繰り返しになるが、リボ払いの返済を先延ばしにすることで得られるメリットは何もない。

使用法に注意!最適なシーンでリボ払いを活用する

リボ払いには、金利面などでのデメリットが多く存在しており、活用方法を間違えると大きな損失を受ける可能性が高い。リボ払いで一番怖いのは毎月の返済金額を低く設定していると「返済している気」になっていることだ。

返済金額によっては毎月の返済している金額は利息分がほとんどで元金は全く減っていないケースも多々ある。

事業用に大きな買い物をしなければならず、どうしても支出を一時的にコントロールしたいケースもあるだろう。そんな時に、リボ払いは便利であることも確かだ。

リボ払いという便利な支払い方法を有効活用するには、メリットよりもデメリットについて理解し、リボ払いはあくまで最終手段だと考えておこう。

文・鴨志田大輔(ファイナンシャルプランナー)