起業することを目標にビジネスについて勉強しようと考えている人は、最初に「効果的な勉強法」を知っておくことをおすすめする。勉強法を知っているだけで、効率性を大幅にアップできるからだ。

今回は、勉強を始める時の注意点やビジネスに役立つ書籍とともに、効果的な勉強法を紹介する。

目次

  1. 起業にはなぜ有益な知識が重要なのか
  2. 最も早くビジネスの知識を蓄えるには実践あるのみ
  3. ビジネスの勉強を始めるときに注意したい3つのポイント
    1. 1.明確な目的と目標を決める
    2. 2.自分のペースを決める
    3. 3.準備を怠らない
  4. ビジネスを学ぶ5つの勉強法
    1. 1.学習ターゲットを絞り込む
    2. 2.成功者から学ぶ
    3. 3.自分に合った勉強法を見つける
    4. 4.関連づけて記憶する
    5. 5.実行に移す
  5. ビジネスの勉強で使える書籍5選
    1. 1.ファクトフルネス(Factfulness)
    2. 2.リーン・スタートアップ(Lean Startup)
    3. 3.イノベーションのジレンマ(The Innovator's Dilemma)
    4. 4.エクセレント・カンパニー(In search of Excellence)
    5. 5.E神話の再訪(The E-Myth Revisited)
  6. 起業するならまずは目的を決めて知識を蓄えること

起業にはなぜ有益な知識が重要なのか

起業に役立つ「有益な知識」を得る!効果的なビジネス勉強法5選
(画像=Flamingo Images/Adobe Stock)

アイデアや情熱、人脈など、ビジネスを成功させる上で重要な要素は沢山あるが、有益な知識もその一つだ。有益な知識とは、単に物事を沢山知っているという意味ではなく、ビジネスで役立つ知識を指す。

ビジネス書籍やニュースで様々な情報を収集しても、「知っているだけ」ならば有益とは言えない。情報を正確に理解し、実践を通して応用できる知識に変換することが大切だ。

それでは、なぜビジネスで有益な知識が重視されるのか。どのような職種でも、仕事をしていると頻繁に様々な決断に迫られる。「知らないから決断できない」では、仕事を先に進めることができない。だからと言って、曖昧な知識や誤った知識に基づいて決断すると、後悔することになる。

特に起業すると、自分の決断がすべて今後に反映されるため、可能な限り慎重かつ適切な決断を下す必要がある。有益な知識を深めれば深めるほど「知らない」ことが減り、適切な判断力を養うことができる。

またビジネスの成長には、洞察力が欠かせない。物事の本質を正確に見抜き、市場の動きを冷静に分析したり、臨機応変に問題に対処したりするためのスキルだ。洞察力は、過去の経験や知識を磨くことで養われる。

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最も早くビジネスの知識を蓄えるには実践あるのみ

「起業の夢を叶えるために、ビジネスの知識を一日も早く吸収したい」と考えるのは、自然の心理だ。手あたり次第にビジネス関連の書籍を読んだり、セミナーに参加したりすれば、広く浅い知識は増えるかも知れない。しかし実践に使える本当の知識は、自分自身で経験して初めて身に着く。

なぜならビジネスは、頭の中で描いたように展開することの方が少ないほか、想定外のハプニングもつきものだからだ。こうした問題に対応するためには、知識を活用するためのスキルが必要である。実践で経験を積むことにより、覚えた知識を臨機応変に活用するスキルが身につく。

また、体験を通して体と脳に記憶させる「体験学習」の効果は、数々の研究からも立証されている。

ビジネスの勉強を始めるときに注意したい3つのポイント

起業に役立つ「有益な知識」を得る!効果的なビジネス勉強法5選
(画像=Flamingo Images/Adobe Stock)

せっかく時間と労力をかけて勉強を始めるならば、以下のポイントに注意して、効率的かつ効果的に成果をあげたい。

1.明確な目的と目標を決める

目的と目標を達成するためには、具体的な指針が不可欠だ。「起業するために、ビジネスについて勉強する」という人がいるが、漠然とし過ぎていて具体性に欠ける。

「何のために、ビジネスについて勉強したいのか」「学習から何を得たいのか」を明確にすることで、学習すべき分野や最適な勉強法を特定しやすくなり、時間を無駄にせず成果につなげる早道になる。

2.自分のペースを決める

勉強に100%集中できる学生時代とは違い、仕事をしながら将来の起業を目標に勉強を始める人も多い。勉強は日々の積み重ねと言うが、状況によっては難しいこともある。ビジネスは試験ではない。学生時代の一夜漬けのように、短期間で無理をしながら勉強しても、頭の中で消化できることには限界がある。

精神的・肉体的に負担にならないよう、仕事とプラベートのバランスを上手くとりながら「寝る前に30分」「週末の午前中」など、無理のない範囲で長く続けられる勉強法を見つけよう。

3.準備を怠らない

「とりあえず興味があるから」と安易に勉強を始めると、途中で現実の壁にぶつかり、やる気を失う結果になりかねない。また時間と労力をかけて勉強し、ようやく起業にこぎつけても、結果がともなければ成功とは言えない。

勉強に手をつける前に、市場の需要や動向、競争率、資金確保の手段などについて、念入りにリサーチ・分析・検討し、「自分が目指している起業の方向性が、間違っていないかどうか」を見極めることが重要だ。

ビジネスを学ぶ5つの勉強法

効果的な勉強法として、以下の5つの勉強法が挙げられる。

1.学習ターゲットを絞り込む

知識を詰め込むために、あれもこれもと手を出したくなるが、「流行っているから」「常識だから」といった理由で、自分の目標の範囲外のことを勉強しても、将来的に役立つ保障はない。

前述したように学習すべき分野や最適な勉強法を絞り込み、目標達成に必要な知識の習得に集中することで、時間と労力を有効に使える。

2.成功者から学ぶ

自分流の勉強の仕方にこだわり過ぎると、遠回りをしてしまうことがある。効率よく学習するためには、1から10まですべて自分で調べて吸収しようとするより、成功者の経験談から必要な情報やスキルを吸収するというアプローチも必要だ。

自分の目標と関連性のある分野で成功している人の自伝を読んだり、セミナーに参加したりするなど、成功者から学ぶ機会を積極的に作ろう。

3.自分に合った勉強法を見つける

世の中には星の数ほど勉強法があるが、万人に効果がある勉強法は存在しない。それぞれに特徴がある点を考慮すると、合う・合わないがあっても不思議ではない。また、学習の内容も、最も効果的な勉強法を選ぶ基準になる。

集中的に一つのテーマについて学ぶ方が記憶力がアップする人もいれば、分散的に複数のテーマについて学ぶ方が効率がアップする人もいる。また、毎日短時間でもコツコツと努力を積み重ねる方が長続きする人、週末に数時間まとめて勉強するほうが長続きする人、自宅で一人で勉強する方が集中できる人、ビジネススクールで仲間と一緒に勉強する方がモチベーションが上がる人など、十人十色だ。

4.関連づけて記憶する

残念ながら、年齢とともに記憶力や理解力は低下する。学生時代と同じ勉強法を試しても、期待通りの成果があがらないのはそのためだ。

専門家いわく、「物覚えの早い人は、学習対象を関連づけて記憶している」という。これは「コンテクチュアル(Contextual)学習」と呼ばれる、新たな情報や知識を処理するためのアプローチで、自分で決めた基準に基づき物事に関連性を見つけることで、理解力や記憶力を強化するというものだ。

分かりやすい例を挙げると、貿易関係の英単語を覚える時、「Invoice(商品送り状)」という単語を「customs duty(関税)」という言葉と関連づけて同時に覚える。あくまで自分の基準であるため、「Quotation(見積もり書)」など別の単語と関連づけても構わない。

5.実行に移す

「ビジネスの知識を蓄えるには、実践あるのみ」という言葉通り、頭の中で温めているだけでは、有益な知識はなかなか身に着かない。使わない知識は役に立たないばかりか、時間の経過とともに記憶から消えてしまうことが多い。

特に語学の学習法として定番の「インプット・アウトプット学習法」というものがある。効率的な学習には、情報や知識を頭に入れる「インプット(Input)」と、インプットした情報と知識を使って練習する「アウトプット(Output)」が必要という理論だ。同様のことが、ビジネスを含む他の勉強にも該当する。

勉強=実践の図式に従い、覚えたことは出来るだけ自分で体験してみる。例えば、「ネットで開業する際に重要なSEO対策について勉強したのであれば、実際にダミーのコンテンツSEOを作成してみる。知識を筆記試験、経験は実技試験と考えると、イメージしやすいだろう。

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ビジネスの勉強で使える書籍5選

「ビジネス書籍から知識やインスピレーションを得たいが、沢山あり過ぎて迷う」という人のために、起業を含め様々なビジネスシーンで役立つ書籍5選をご紹介しよう。

1.ファクトフルネス(Factfulness)

日本でも2019年に話題となった、ベストセラー。スウェーデンの公衆衛生学者ハンス・ロスリング氏と、統計学者オーラ・ロスリング夫妻が共同で執筆した本作品は、データに基づいたファクトフルネス(確固たる裏付けのある事実だけに目を向ける習慣)を提唱している。

2.リーン・スタートアップ(Lean Startup)

米起業家エリック・リース氏の、「無駄なプロセスを排除することにより、イノベーションを継続的に生みだし、成功につなげる」というまったく新しいアプローチは、米シリコンバレーを中心に世界中で一大旋風を巻き起こした。

ビジネスの規模に関わらず、アイデアを商品化するプロセスを劇的に効率化するマネージメント術を紹介した、起業家必読の1冊だ。

3.イノベーションのジレンマ(The Innovator's Dilemma)

イノベーション研究の第一人者である、ハーバート・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授の著書。成功している企業とイノベーションのジレンマの関連性や、新興企業の脅威に焦点を当てた内容だが、ゼロからのスタートをイノベーションの機会と見なす起業家が学べることは多い。

故スティーブ・ジョブズ氏は生前、Appleがクラウド・コンピューティングの採用に踏み切った理由の一つとして、この著書の存在を挙げた。

4.エクセレント・カンパニー(In search of Excellence)

米経営思想家ロバート・ウォーターマン氏と米経営コンサルタント、トム・ピーターズ氏の共著。多様なセクターの米大手43社を研究した結果に基づいて、「ビジネスを成功に導く8つの基本原則」について解説している。

大企業が成功している理由をデータから読み解くことで、起業を成功させるヒントが得られる。

5.E神話の再訪(The E-Myth Revisited)

ビジネスの世界では、他者の成功例だけではなく、失敗例から学ぶことも多い。本書では、米ビジネススキル・コンサル企業の設立者マイケル・ガーバー氏が、多くの小規模事業が失敗に終わる原因と回避法を解説。

「自分の事業の範囲内でビジネスをする」というアプローチから、「自分の事業を成長させるためにビジネスをする」という発想の転換を図ることができる。日本語版は発売されていないが、英語で読む価値は十分にある。

起業するならまずは目的を決めて知識を蓄えること

起業で役に立つビジネス勉強法をご紹介したが、「継続は力なり」という言葉が示すように、成功者は成功の上に胡坐をかくことなく、常に学習を続けている。すぐに結果が出ないからと言って諦めず、時間がかかってもコツコツと有益な知識を蓄積する姿勢が、将来的に大きな成功をもたらすのではないだろうか。

文・Business Owner Lounge編集部