クレジットカードの会社にはどのようなものがあるのか、改めて確認したいと思う人もいることだろう。じつは、一口に「クレジットカード会社」といってもさまざまな業務形態があるのである。この記事では、クレジットカード会社の3つの種類や国際ブランドのシェア、用途別のおすすめ国際ブランドなどを詳しく解説していこう。

目次

  1. 「クレジットカード会社」は大きく3つに分けられる
    1. 1. クレジットカード発行会社(イシュア)
    2. 2. 加盟店契約会社(アクワイアラ)
    3. 3. 国際ブランド
  2. 日本国内クレジットカードの国際ブランドシェア
    1. 1. VISA
    2. 2. JCB
    3. 3. Mastercard
    4. 4. アメリカン・エキスプレス
    5. 5. ダイナースクラブ
    6. 6. 銀聯(Union Pay)
  3. クレジットカードのおすすめ国際ブランドは?状況別に紹介
    1. 日本国内で使うことが多いならJCB
    2. 海外出張が多いならVISA、Mastercard
    3. 中国などアジア圏への出張が多いなら銀聯(Union Pay)
    4. ステータスを求めるならアメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ
  4. クレジットカード会社を適切に選ぼう
    1. プロフィール

「クレジットカード会社」は大きく3つに分けられる

>>会員登録して限定記事・イベントを確認する

「クレジットカード会社」とはどの会社を指す?クレジットカードの国際ブランドについても解説
(画像=apichon_tee/stock.adobe.com)

「クレジットカード会社」といった場合、その業務形態は以下の3つに分けることができる。

  1. クレジットカード発行会社(イシュア)
  2. 加盟店契約会社(アクワイアラ)
  3. 国際ブランド

それぞれの定義や業務内容、該当する会社名などをみていこう。

1. クレジットカード発行会社(イシュア)

「クレジットカード会社」という場合にまずあげられるのは、クレジットカード発行会社(イシュア:issuer)だ。クレジットカード発行会社は以下のような業務を行う。

・カードの利用希望者から入会手続きを受け付けて審査を行い、カードを発行する ・カードの利用金額を請求し、徴収する ・カードの利用ごとにポイントや特典を付与し、それらを管理する ・付帯する保険やサービスなどの管理をする

クレジットカード発行会社には、大きく分けて銀行系・信販系および流通系の3種類がある。

・銀行系発行会社

クレジットカード発行会社としてまずあげられるのは「銀行系」の発行会社だ。銀行系カードの具体例には、三井住友カード、MUFG(三菱UFJニコス)カード、JP BANK(ゆうちょ銀行)カードなどがある。

銀行系カードのメリットは、まず信頼性とステータスが比較的高いことだ。銀行の社会的信用度は、他の企業と比べても抜群に高いからである。また、銀行系カードはキャッシュカード一体型のものも多いため、購入から引き落としまでが1枚で完結できるのもメリットだといえるだろう。

・信販系発行会社

クレジットカード発行会社として次にあげられるのは、信販系の発行会社だ。信販系カードの具体例には、JBCカード、オリコカード、ライフカード、REXカードなどがある。

信販系カードのメリットは、銀行系カードと比較するとポイントが貯まりやすい、あるいはお得なキャンペーンが豊富、などがあげられる。ステータスよりお得に使うことを目的とするならば、信販系カードはうってつけだといえるだろう。

・流通系発行会社

流通系の発行会社も、クレジットカード発行会社としてあげられる。流通系カードの具体例は、セゾンカードや楽天カード、イオンカード、ビックカメラSuicaカード、セブンカードプラス、エポスカードなどである。

流通系カードのメリットは、発行する会社が運営する店舗での買い物やサービスがお得になることだ。よく利用する店舗やサービスがある場合には、そこで発行されるクレカを持つのがおすすめだといえるだろう。

2. 加盟店契約会社(アクワイアラ)

「クレジットカード会社」として次にあげられるのは、加盟店契約会社(アクワイアラ:acquirer)だ。クレジットカード発行会社がカード利用者の管理を行うのに対し、加盟店契約会社はカード加盟店の管理を行う。具体的には以下のような業務となる。

・カード加盟店を開拓し、新規契約をする ・加盟店の売上データを受け取り、カード発行会社に受け渡す ・カード発行会社が利用者から徴収した利用金額を受け取り、加盟店に支払う

加盟店契約会社はカード利用者から直接は見えないため、一般にはあまり知られていない。また、カード発行会社と加盟店契約会社は海外では分業が一般的だが、日本の場合は発行会社が加盟店管理まで兼ねているケースが多い。

加盟店契約会社の重要な役割として「加盟店から手数料を受け取る」ことがあげられる。クレジットカード会社と似た業態である信販会社が、利用者から金利手数料を受け取ることで収益を上げるのにたいし、クレジットカード会社は加盟店からの手数料で収益を上げるからである。加盟店からの手数料は、利用金額支払いの際に差し引きで徴収されることになる。

3. 国際ブランド

「クレジットカード会社」としてあげられる3つめが、国際ブランドである。国際ブランドには後で詳しく紹介する通り、VISAやJCB、Mastercard、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、銀聯(Union Pay)などがある。

国際ブランドの役割は、世界中に張り巡らされた決済システムを提供することである。クレジットカードは、世界中やネット上のさまざまなお店・サービスで実際に決済できなければ利用価値が高くならない。しかし、クレジットカード発行会社がそれぞれ独自に決済システムを世界中に張り巡らせることは事実上困難だ。そこで発行会社は、国際ブランドの決済システムを借り、クレジットカードを発行するのである。

したがって、国際ブランドが異なると、決済できる店舗の数が異なることになる。ある国際ブランドが使用できる店舗が、別の国際ブランドは使用できないというケースは多い。店舗のシェアが低い国際ブランドのクレジットカードをメインで使用する場合には、シェアが高い国際ブランドのカードをサブとして持つことが必要だといえるだろう。

日本国内クレジットカードの国際ブランドシェア

>>会員登録して限定記事・イベントを確認する

それでは、国際ブランドが日本の利用者にどの程度のシェアを持っているかをみるために、イプソスが2016年11月8日~11月18日に調査を行った「クレジットカード利用実態調査」の結果を紹介する。この調査は、19歳~79歳の日本人18万5,495名にオンラインにて実施したものである。回答者の81%は、過去6ヵ月以内にクレジットカードを1回以上利用したと回答している。

※ 世界シェアの高い国際ブランドとして、ここで紹介する以外に「Discover」がある。ただし、日本国内ではDiscoverカードを取り扱うクレジットカード会社がなく入手困難であるため、ここでは紹介を割愛する。

1. VISA

この調査による日本での国際ブランドの利用者シェア第1位はVISAである。トータルでのシェアは55%。一般カード、ゴールドカードのシェアも同様の55%で、プラチナカードのシェアのみ43%となっている。

VISAは加盟店数世界トップの国際ブランドだ。したがって、利用者のシェアもやはり高くなっている。

全世界で5,000万以上の店舗で利用可能で、日本はもちろん、海外にも加盟店は多数ある。とりあえずVISAのカードが1枚あれば、国内でも国外でも、一通りの用件は足りるだろう。

2. JCB

日本での利用者シェア第2位はJCBだ。トータルでは30%、一般カード31%、ゴールド27%、プラチナ26%と、いずれもハイレベルとなっている。

JCBは日本発の国際ブランドであるため、国内の加盟店数が多いことが特徴だ。VISAを抜き、国内での加盟店シェアはNo.1となっている。また、決済機能だけでなく、空港での宅配優待サービスやテーマパークでのアトラクション優先搭乗など、生活に役立つサービスが充実していることも特徴となっている。

3. Mastercard

日本での利用者シェア第3位はMastercardだ。トータルと一般、ゴールドのシェアは12%、プラチナは10%の結果となっている。

MastercardはVISAに次ぐ、世界シェア第2位の国際ブランドである。海外へ行く機会が多いのなら、VISAかMastercardのどちらかを持っておくのが良いだろう。海外の中でも、VISAはアメリカ方面で、Mastercardはヨーロッパ方面でシェアが高いといわれている。

4. アメリカン・エキスプレス

日本での利用者シェア第4位は、アメリカン・エキスプレスだ。トータルと一般カードでは2%、ゴールドは5%と低めであるのにたいし、プラチナは15%と急増し、プラチナだけ見ればMastercardを抜いて第3位となっている。

アメリカン・エキスプレスは富裕層に高く支持され、ステータスが高いことが特徴だ。年会費は高めだが、その分、ホテルやレストラン、空港ラウンジなどの優待サービスが充実している。アメリカン・エキスプレスのプラチナカードは、経営者なら持っておきたいカードだといえるだろう。

5. ダイナースクラブ

日本での利用者シェア第4位の国際ブランドは、ダイナースクラブである。トータルと一般カードでは1%未満、ゴールドは1%と低いものの、プラチナカードのみ4%となっている。

世界初の国際ブランドであるダイナースクラブは、シェアこそVISAやMastercardなどには劣るものの、アメリカン・エキスプレスと同様、富裕層に支持されステータスが高いことが特徴だ。特に、レストランなどの飲食系のサービスが充実しており、グルメには必携のカードだといえる。

6. 銀聯(Union Pay)

日本での利用者シェア第6位は、銀聯(Union Pay)だ。トータルと一般カード、ゴールドカードは1%未満ながら、プラチナカードは2%となっている。

銀聯カードは中国中央銀行の主導により作られた国際ブランドだ。中国人旅行者の増加にともない日本国内でも加盟店が急増している。取扱高はVISAを抜いており、累計発行枚数も50億枚以上にのぼる、成長性の高いブランドだ。

クレジットカードのおすすめ国際ブランドは?状況別に紹介

最後に、おすすめのクレジットカード国際ブランドを状況別に紹介しよう。

日本国内で使うことが多いならJCB

日本国内で使うことが多いなら、国際ブランドはJCBがおすすめだ。加盟店の国内シェアNo.1であるうえに、空港やテーマパークでの優待サービスが充実しているからである。

海外出張が多いならVISA、Mastercard

海外出張が多い場合は、VISAかMastercardを持っておく必要があるだろう。アメリカ方面への出張が多いならVISAが、ヨーロッパ方面での出張が多いならMastercardが、前述の通りおすすめだ。

中国などアジア圏への出張が多いなら銀聯(Union Pay)

中国への出張が多いケースも、経営者には多いだろう。中国などアジア圏の出張が多いなら、銀聯(Union Pay)を持つのがおすすめだ。中国・アジア圏では銀聯(Union Pay)カードのシェアが高く、サービスも充実しており、また中国では銀聯以外の国際ブランドが使えない店も多いからだ。

ステータスを求めるならアメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ

経営者としてのステータスを求めるなら、やはり富裕層から圧倒的な支持を受けるアメリカン・エキスプレス、あるいはダイナースクラブを持つべきだろう。その場合・アメリカン・エキスプレスならプラチナカード、ダイナースクラブならプレミアムカードの、最上位カードがおすすめだ。

クレジットカード会社を適切に選ぼう

クレジットカードの発行会社や国際ブランドには多くの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがある。利用シーンや目的をよく考え、適切なものを選ぶ必要があるだろう。利用価値の高いカードを選んで使いこなしていこう。

プロフィール

「クレジットカード会社」とはどの会社を指す?クレジットカードの国際ブランドについても解説
(画像=金城 寛人)

金城 寛人 (きんじょう ひろと)

株式会社エルニコ執行役員・中小企業診断士。1985年生まれ。沖縄県出身。青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科卒業後、前職の外資系メーカーに入社。事業開発部に従事し、アジア圏の新規事業プロジェクトに参画し、同社にてMVP(Super Hero’s)を受賞。現在は、経営コンサルティング事業を推進し、新規事業、組織の仕組みづくり、販路開拓、施策活用、経営相談窓口など毎月約70社以上の中小企業の経営支援を行う。