クレジットカードは便利である一方、不正利用の被害は年々増えている。自分には関係ないと思って使っていると、危険な犯罪に巻き込まれることもある。本記事では、クレジットカードの不正利用された際の解決方法に焦点を絞って解説する。
目次
クレジットカード不正利用の5つのケース

日本には日本クレジット協会というものがあり不正利用被害額を発表している。2019年の被害額は273.8億円となっており、2014年から年々増加している。
一言でクレジットカードの不正利用と言っても種類は多い。代表的な不正利用についてここでは解説する。
1.スキミング
クレジットカード情報を読み取る機械を「スキマー」と呼び、この機械でクレジットカード情報をコピーすることをスキミングと呼ぶ。
2.フィッシング
知りもしない会社から突然メールが届き、「おめでとうございます!あなたは●●に当選してました。Amazonギフト券を送付しますのでこちらのサイトから手続きをしてください!」のようなメールを受けたったことはないだろうか。
フィッシングは甘い言葉をかけて偽サイトに誘導して偽サイトでカード情報を盗もうとする詐欺だ。
3.ネットショッピング詐欺
架空のオンラインショップを立ち上げて決済情報を入れさせて、実際は商品は届かないなどの被害がネットショッピングではおきている。
ハイブランドの商品が激安で売られているようなサイトでは、カード決済しないように気をつけるべきだ。
4.盗難
一番想像しやすいかもしれないが、カード自体を盗まれて利用されるケースだ。この後詳しく解説するが、もし盗難の被害にあった場合はすぐにカードの利用を停止することで問題を解決できる。
5.なりすまし
第三者が本人になりすましてクレジットカードを利用することを「なりすまし」と呼ぶ。EC事業者などによる情報漏洩によってカード情報が第三者に渡り不正に利用されてしまうケースも存在する。
クレジットカードを不正利用された際の対策法
>>会員登録して限定記事・イベントを確認する クレジットカードの不正利用は数多く存在する中、おきてしまった際、または起こさないための対策法を知っておく必要がある。ここでは、先ほど解説した種類別に対策法を解説する。
スキミングの対策法
一番の対策法はICカードタイプのクレジットカードにすることが挙げられる。ICカードライプのクレジットカードであればICチップに情報が埋め込まれている為そこに記録され、簡単にスキミングすることはできない。
クレジットカードには盗難保障などのサービスもあるので不安な人はこちらも合わせて確認することで対策できる。
フィッシング対策法・なりすまし対策法
まずは宛先や件名、送信元を確認するようにしましょう。身に覚えのない宛先から怪しいメールが来たとしてもクレジットカード情報を入れるようなことは絶対してはいけない。個人情報を入力させようとしても注意した方がいい。
万が一クレジットカードを情報を入れてしまった場合は金融機関に連絡し、クレジットカードの一時停止手続きをして通報するべきだ。
ネットショッピング対策法
ハイブランドの衣服などが激安なサイトなど怪しいと思うようなサイトでは買い物を控えよう。特に会社概要などの詳細情報記載がないサイトなどは要注意だ。
盗難対策法
万が一盗難被害にあった際には、すぐにカード会社に連絡し、近隣の警察署に盗難届けを提出するべきだ。多くのクレジットカード会社には盗難・紛失専用のデスクが存在し、利用停止手続きをすぐに対応してくれる。盗難になった際にすぐに行動することが大事だ。
どの不正利用にも共通するが、不正利用の怖いところは自分が気がつかないところにある。クレジットカードの利用明細を確認した際に初めて気がつく人も多いだろう。
まずは利用明細をこまめに確認する習慣をつけるが大事であり、できれば利用した日付なども記録しておくのがベストだ。
クレジットカードを不正利用されてしまった後の対応方法
クレジットカードの不正利用は誰にもでもおきる可能性がある。どれだけ対策をしても巧妙な手口によって不正利用されてしまった場合は、迅速な対処をすることで被害を最小限にできることを覚えておこう。
まずはカード会社に連絡を
方法としては、まずはカード会社に連絡することが挙げられる。カード会社は連絡を元にカードの利用停止手続きをしてくれ、不正利用されているのかどうかの調査をして、本当に不正利用された場合は保障制度によって補填されるケースもある。
警察への被害届やカードの再発行
次に警察に被害届を出すことだ。利用停止し、不正利用されていた場合そのクレジットカードは再度利用することはできないので再度同じクレジットカードを利用したい場合はクレジットカードの再発行をする必要がある。
不正利用された金額は戻ってくるのか
実際にクレジットカードの不正利用されてしまった場合に気になるのは不正利用された金額は補填されるのかどうかだ。誰が補填してくるのか。ここについて解説する。
クレジットカードには盗難保険がついていることが多いのだが、クレジットカードを普段から利用している人は知らないケースがほとんどだ。クレジットカードを作成する際にこの保険について文章で解説があるがほとんどの人が見てないだろう。
クレジットカードによって補償内容が異なる
結論から解説すると、不正利用された際に金額は戻ってくるケースもあれば戻ってこないケースもあるという現実だ。
ここでは三井住友カードを例に解説する。三井住友カードでは、「紛失・盗難の届け日の60日前から」損害の補填ができる。この日数はクレジットカード会社によって違うので調べておくことお勧めする。
三井住友カードは不正使用探知システムを独自に持っており。不審なカード利用チェックを実施している。このシステムにより不正利用の可能性が高い、確実と判断されることが補填するためのポイントだ。気になるのが補填対象とならないケースだ。下記のケースは補填対象外となるようだ。
===================================== 会員の故意または重大な過失に起因する損害である場合 損害の発生が保障期間外の場合 会員の家族・同居人による不正利用に起因する場合、また弊社から送付したカードまたはチケットなどの受領の代理人による不正利用に起因する場合 会員が会員規約第4条(届出事項の変更)の義務を怠った場合 紛失・盗難または被害状況の届けが虚偽であった場合 カードショッピング、キャッシングリボおよび海外キャッシュサービス取引などのうち、暗証番号の入力を伴う取引についての損害の場合(ただし、弊社に登録されている暗証番号の管理について、会員に故意または過失がないと弊社が認めた場合はこの限りではございません) 紛失・盗難の通知を弊社が受領した日の61日以前に生じた損害の場合 戦争・地震などによる著しい秩序の混乱中に生じた紛失・盗難に起因する損害の場合 その他、会員規約に違反する使用に起因する損害の場合
また、以下のような場合も原則、補償の対象とはなりません。
ETCカードの車載機抜き忘れや車内置き忘れの場合 カード裏面にサインをしていなかった場合
(※引用:三井住友VISAカード&三井住友マスターカード会員規約第14条(会員保障制度))
上記の条件はあくまでも三井住友カードの条件であることはご了承頂きたい。クレジットカードの不正利用対応方法は各社によって微妙に違ってくるのが事実だ。自分が持っているクレジットカードについては一度公式サイトを確認しておこう。
注意点は、カードの裏面にサインをしてない人が多いかもしれないが裏面のサインをしていない人はほとんどケースで補填を受けれないはずだ。まずはクレジットカードの裏面にサインをしているかどうか確認するべきだ。
補填を受けられるおすすめクレジットカード
おすすめは三井住友カードだ。三井住友カードには、「会員保障制度」が存在する。特別なケースを除いて損害を補填する。
本人の利用ではなく家族に貸したり友人に貸していた際のトラブルには適用されないので注意が必要であるが、紛失・盗難の届け日から60日前から補填してもらえるのは嬉しい。
三井住友カードはさまざまな決済手段に対応しており、自分のライフスタイルに最適なものを選べるクレジットカードとして人気だ。さまざまな決済手段に対応しているということはその分、不正利用のリスクは高まると思うが三井住友カードではクレジットカードの不正使用について様々な取り組みを実施している。
24時間365日カードのモニタリングを行える不正使用探知システムを利用しており不正利用に対する対策はバッチリだ。

引用:https://www.smbc-card.com/mem/service/sec/cover-damage.jsp
また、カードの紛失・盗難にあったあとの対処についても公式サイトでしかりとわかりやすく解説しておりわかりやすい。
不正利用されても焦らずに対応
本記事ではクレジットカードの不正利用について解説してきたが、盗難保険がついているほとんどのクレジットカードでは補填されるケースと補填されないケースがあるということがわかった。
対策をすることは大事であり、普段から利用明細を確認する習慣を持っておくことや、クレジットカードの裏面に必ずサインをしておくなどできる対策はある。
まずはできる対策を行い、自分が普段から利用しているクレジットカードではどんなケースが補填されるのかどうかを確認するべきだ。
不正利用は2014年以降増加傾向にあり、これからも増加するだろう。手口も多様になり自分は大丈夫と思っていても明日はわが身だ。
対策とおきてしまったあとの対処法を理解してスムーズにクレジットカード生活を送ろう。
文・鴨志田 大輔(ファイナンシャルプランナー)