クレジットカード裏面のサインはきちんと記入しているだろうか?裏面のサインには、実は重要な意味がある。裏面のサインがないと、不正利用のリスクが高まり、使用を断られることもあるので注意が必要だ。この記事では、クレカ裏面と支払時のサインの意味、およびサインの注意点について詳しく解説していく。正しいサインを用い、クレカを安全に使用しよう。

クレジットカード裏面サインには2つの意味が

クレジットカードが届いたら、最初にしなければならないのは裏面へのサインである。このクレカ裏面のサイン、「何のために必要なのか」と思う人もいるかもしれない。クレカ裏面のサインは、以下の2つの意味がある。

1. クレカ所有者本人であることを証明する

クレカ裏面のサインの第1の意味は、クレカを使用しているのが所有者本人であるのを証明することである。

クレカの使用に際し、お店はクレカ裏面のサインと支払時のサインとを照合する。それらが同一であることをもって、クレカの使用者が所有者本人であることを確認する。したがって、クレカ裏面にサインがなければ、いくら支払時にサインをしても本人確認はできないことになるのである。

2. 不正利用を防ぐ

クレカ裏面にサインをしないとどのようなことが起こるだろうか。まずあげられるのは、不正利用の可能性が高まることだ。

クレカ裏面にサインがなければ、そのクレカを誰かが入手した場合、自分のサインを裏面に勝手に書き込んで使用できる。不正利用が容易にできるわけである。裏面にサインのないクレジットカードは「不正利用してくれ」と言わんばかりの存在であるといえるだろう。

したがって、仮に裏面にサインのないクレカが盗難・紛失による不正利用の被害にあっても、補償が受けられなくなることがある。

一般にクレジットカードは、盗難・紛失などによる不正利用については、カード会社による補償が受けられる。しかし、クレカ裏面のサインが補償の前提として会員規約に定められているため、裏面サインのないクレカの不正利用は、補償の対象とならない可能性が高いのだ。不正利用された金額を自分で支払うのは、大きな痛手となるので注意しよう。

クレカ支払いの際にサインが必要な3つの理由

それでは次に、クレカ支払いの際にサインが必要な理由を見てみよう。

1. 支払い内容に同意したことを証明するため

クレカ支払いの際にサインが必要となる第1の理由は、支払い内容に同意したことを証明するためである。支払いの明細には、クレカの使用日時と購入した商品やサービスの内容、および金額が記載されている。サインにより、それらを承認したことが証明される。

したがって、「金額がやはり納得できない」とサインのあとに申し出ても、返品や返金には応じてもらえないことがある。クレカのサインに際しては、支払い明細の内容をしっかりと確認することが重要だ。

2. 支払いをしたことを証明するため

クレカ支払いの際のサインは、支払いをしたことを証明するためでもある。クレジットカードは、審査により一定の信用がある特定の個人に発行される。したがって、支払いは、クレカ契約者本人が間違いなく行ったことを証明することが必要だ。

支払時にサインをすれば、お店はそのサインとクレカ裏面のサインとを照合できる。それにより支払いが、クレカの契約者本人により行われたと証明できるわけである。

3. クレカの不正利用を防止するため

クレカ支払時にサインが必要な理由として、クレカの不正利用を防止することも大きい。盗難や紛失の可能性がゼロにはできないクレカは、不正利用のリスクがどうしても残ってしまう。契約者やカード会社の損害となる不正利用をどのようにして避けるかは、クレジットカードの大きな課題なのである。

支払時のサインと裏面のサインを照合し、それらが一致していれば、クレカは間違いなく本人によって使用され、不正利用ではないと証明できる。したがって、サインが異なっている場合には、クレカの利用を断られることもあるので注意しよう。

クレジットカードサインの注意点

以上のようにクレカのサインは、利用者の本人確認と不正利用の防止のため重要な意味を持っている。クレカが届けられたら、速やかに裏面にサインすることが大切だ。以下では、このクレカ裏面のサインについての注意点を見ていこう。

文字はローマ字でも漢字でもいい

サインに使用する文字は、ローマ字でも漢字でもかまわない。海外で利用する機会が多い場合は「ローマ字で書かなければならないのでは?」と思う人もいるかもしれない。しかし、海外での使用に際しても、漢字の使用が可能だ。

クレジットカードのサインは、お店のスタッフが読めるものである必要はないのだ。ただ、クレカ裏面のサインと支払時のサインとが一致していることだけが重要なのである。

したがって、海外でのクレカ使用が多い人が、海外の人は漢字を書けないから真似されにくいとサインに漢字を使用するケースは多くある。ただし、漢字が真似されにくいのは海外だけでの話であり、国内では逆に真似されやすいともいえるので、クレカはなくさないよう厳重な管理が必要だ。

ローマ字は筆記体でもブロック体でもかまわない。しかし、筆記体のほうが真似されにくく、おすすめだといえるだろう。また、漢字が真似されにくいとはいえ、ひらがなやカタカナでいけないというわけではない。

名字だけ・下の名前だけでもいい

また、サインの名前は、名字だけ、下の名前だけでも良い。ローマ字なら「T. Yamada」のようにファーストネームのみをイニシャルにするのも良いし、ファーストネーム、ファミリーネームの両方をイニシャルにしてしまってもかまわない。

極端な話をすれば、サインはお店のスタッフに読める必要がないのだから、名前ですらない記号のようなものでも良い。ただし、できるだけ真似されにくいこと、および本人が何回でも再現性をもって書けることが重要なのだ。

海外での使用が多いならパスポートと同じサインがおすすめ

海外での使用が多い場合には、クレカのサインはパスポートと同じものにしておくことがおすすめだ。海外ショップでの店員の誤解によるトラブルを避けられるからである。

海外でクレカを使用する場合、IDとしてパスポートの掲示を求められることが多い。その際にパスポートとクレカのサインが異なっていると、店員が不審に思うことがあるのである。海外ではIDのサインと、キャッシュカードやクレジットカードのサインを同じものにするケースがあるからだ。

しかし、これはあくまでも店員による誤解であり、IDのサインとクレカのサインが異なっていても本当は問題ない。ただ、店員の誤解により「このサインでは使えない」と言われることを避けるためには、パスポートとクレカのサインを同じものにしておくことが無難である。

書き間違えた・薄くなってきたら再発行を依頼

クレカ裏面のサインを書き間違えたから、二重線で消して書き直したい、あるいは薄くなってきたから上からもう一度なぞりたい、などと思うこともあるかもしれない。しかし、これらはいずれもNGだ。

サインを訂正あるいは上書きした痕跡があるクレジットカードは使用できない。もしサインの訂正・上書きが認められるなら、他人のクレカを入手して、サインを書き直して自分のものとすることが容易だからだ。もしサインを書き間違えた、あるいは薄くなってきた、などの場合は、カード会社に再発行を依頼しよう。

支払時はカード裏面のサインと同じサインを

前述のとおりクレカのサインは、どんな文字でもかまわなないし、名字や名前のどちらかだけでも良い。ただし、支払時のサインとカード裏面のサインは同じものであることが必要だ。クレカのサインは、支払時のものと裏面のものを照合し、本人確認するためのものだから、これは大前提だといえる。

したがって、クレカのサインはある程度、素早く書けるものである必要があるだろう。クレジットカードで支払いの手間を省いているのに、サインに時間がかかっていては本末転倒となりかねない。真似されにくいとともに素早く書けるサインを選ぶのがおすすめだ。

丁寧すぎる必要はないが適当には書かない

素早く書くことが求められるクレカのサインは、丁寧すぎる必要はない。しかし、適当に書くのはやめよう。クレカのサインを適当に書いてしまうことにより、以下のようなデメリットがある。

まず、適当に書いたサインを支払時に再現できず、店員から「サインが違う」といわれてクレカが使用できないことがある。同様の理由により、たとえば支払金額が間違っていた場合の訂正ができなくなるケースもある。

また、適当に書いたサインは真似されやすくなることがあるために、不正利用のリスクが高まるケースがある。人によっては、「素早く書けるのが良いから」と、クレカのサインをチェックマークなどの記号にするケースがある。しかしこれでは、「どうぞ不正利用してください」と言っているのと同じだといえるだろう。

クレカのサインは、いわば銀行の預金通帳にたいする「印鑑」と同じ役割を果たすものだ。素早く書ける必要があるとはいえ、適当に書くのでなく、自分なりにきちんとしたものを用いるのが重要だ。

重要な意味があるクレカのサインはよく考えて決めよう

クレカのサインは、本人確認をするとともに不正利用を防止する重要な意味があるものだ。クレカがカード会社から届けられたら、忘れずに裏面にサインをしよう。

サインに用いる文字の種類はローマ字でも漢字でもかまわない。書体にも決まりはない。また、名字だけ、あるいは名前だけを書くのでも問題ない。ただし、他人に真似されにくいこと、および自分が何度でも、同じものを書けることが必要だ。

お店での支払いのことを考えれば、ある程度素早く書けるものであることは望ましい。しかし、素早く書けるからといって適当な記号などにするのは、不正利用の観点から問題がある。

クレカのサインをどのようなものにするかは、よく考えて決めることが必要だろう。現在クレジットカードを使っている人も、更新で新しいカードが届いたら、サインについて改めて考えてみてはいかがだろうか。

プロフィール

福薗 健 (ふくぞの たけし)

公認会計士税理士福薗事務所所長 公認会計士・税理士。1970年生まれ。監査法人、上場会社を経て開業。監査法人時の法定監査、M&Aのための財務調査・企業評価、上場会社経営企画時のIR、グループ間の調整などの経験を踏まえ、会社設立から上場会社に並走しながら会計、税務を中心に会社に日々対応している。