経営を効率化するために1枚は持っておきたい法人カード。しかし現在は、さまざまな特徴を持つ法人カードが多数発行されており、どれを選ぶべきか迷うことも多いだろう。今回は、おすすめの法人カード5選と選び方のポイントを解説する。

法人カードの特徴とカードを持つメリット

法人カードおすすめ5選!カードの選び方6つのポイントも解説
(画像=thanatip/stock.adobe.com)

法人カードとは、カード会社が企業経営者や個人事業主向けに発行するクレジットカードのことだ。おもに経費の引き落としに使用される場合が多い。

法人カードは「利用限度額が高め」「法人口座を登録できる」「従業員用カードを追加発行できる」といった点で、一般のクレジットカードとは異なる。特典としてビジネスに役立つサービスが付帯するのも特徴だ。

法人カードは大企業向けの「コーポレートカード」と、中小企業・個人事業主向けの「ビジネスカード」に大別される。 企業経営者や個人事業主が法人カードを持つメリットは多い。

まず、経費精算にかかる労力が軽減される。経費の支払いを法人カードに一本化すれば、個人の支払と経費の支払とを明確に区分できる。また、従業員が立て替えた出張費を後から精算する必要もない。

利用金額を後日まとめて引き落とすシステムも、経営者にとっては有利に働く。決済から引き落としまでに最長1~2ヵ月の猶予が生じることで、キャッシュフローに余裕が生まれるからだ。

また、ステータス性の高いカードを所有することで、取引先からの信頼を得やすいといったメリットもある。

中小企業経営者・個人事業主におすすめの法人カード5選

一口に法人カードといっても、種類ごとに年会費や付属する特典はさまざまだ。ここでは、中小企業経営者・個人事業主がチェックしておきたいおすすめの法人カードを5つ紹介する。よく比較検討し、自分の目的に合ったカードを見極めよう。

1:アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」は、ビジネス面での手厚いサービスとステータス性のどちらも兼ね備えている。

空港ラウンジの利用や手荷物宅配といったサービスが充実しており、出張が多い経営者に特におすすめの法人カードだ。国内外の旅行傷害保険に加えて、飛行機の遅延・キャンセルも補償してくれるのもありがたい。

ビジネス情報サービスの利用や接待サポート、福利厚生プログラムなど、ビジネス面でも手厚いサービスが用意されている。

年会費はやや高めだが、それ以上に充実した特典とステータスを与えてくれるカードといえるだろう。

年会費 34,100円(税込)
追加カード枚数上限/年会費 上限なし/1枚につき13,200円(税込)
限度額 一律の限度額なし
ポイント還元率 1.0%(メンバーシップ・リワード)
特典・付帯サービス ・空港ラウンジの利用や手荷物宅配サービス
・国内・海外旅行傷害保険
・接待用レストランの代理予約サービス
・ビジネス情報サービス、福利厚生プログラム など
キャッシング可能枠 なし

2:楽天ビジネスカード

ポイントをたくさん貯めて経費削減を狙うなら、ポイント還元率の高い「楽天ビジネスカード」がおすすめだ。年会費が2,200円と安く、楽天市場で買い物をするとポイントが最大5倍になるという特典もある。

ただし楽天ビジネスカードは、一般の楽天カードの上位カードに当たる「楽天プレミアムカード」とセットでの申し込みが必須となる。追加カードが発行できない点と、限度額が低めに設定されている点にも注意したい。

ポイントが貯まりやすいため、楽天市場をよく利用する経営者にはお得なカードといえるだろう。また、安い年会費でゴールドカードを所有できるのも魅力のひとつだ。

年会費 2,200円(税込)
追加カード枚数上限/年会費 追加カード発行なし
限度額 300万円(楽天プレミアムカード・楽天ビジネスカードの合算)
ポイント還元率 1.0%(楽天ポイント)
特典・付帯サービス ・Visaビジネスオファー
・ETCカード複数枚発行
・楽天市場でのお買い物はポイント5倍
キャッシング可能枠 なし

3:三井住友ビジネスカード for Owners/クラシック(一般)カード

初年度年会費無料、さらに登記簿謄本・決算書不要で申し込みができるのが「三井住友ビジネスカード for Owners/クラシック(一般)カード」だ。従業員用の追加カードも格安の年会費で発行できる。

法人カードとしては珍しく、キャッシング利用ができるのもポイントだ。限度額は少なめだが、いざというときの資金繰りに利用できるキャッシング枠があるのは心強い。

さらにファミリーマートやセブン-イレブン、マクドナルドといった対象店舗で利用すると、Vポイント還元率が5倍になる。利用限度額は150万円と低めだが、従業員数の少ない企業や個人事業主におすすめしたい法人カードだ。

年会費 1,375円(税込)
初年度年会費無料(オンライン入会の場合のみ)
追加カード枚数上限/年会費 上限なし/1枚につき440円(税込)
限度額 10~150万円
ポイント還元率 0.5%(Vポイント)
特典・付帯サービス ・対象店舗での支払いで、Vポイント5倍
・国内・海外旅行傷害保険
・ショッピング補償 など
キャッシング可能枠 0~50万円

4:セゾン プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

数ある法人カードの中でも、トップクラスといえるほどサービスが充実しているのが「セゾン プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」だ。

年会費は通常22,000円かかるが、年間200万円以上利用すれば半額になる。手頃な年会費で手厚いサービスを受けられる、コストパフォーマンスのよいカードといえるだろう。

また、実績があれば利用限度額を高額に引き上げられるのも特徴だ。利用するごとに貯まる永久不滅ポイントは、SAISON MILE CLUBに登録すれば自動でJALマイルに還元できる。

プラチナカードというだけあり、ステータス性も申し分ない。法人カード選びに迷ったときにぜひおすすめしたい1枚だ。

年会費 22,000円(税込)/年間200万円以上のショッピング利用で、次年度年会費11,000円(税込)
追加カード枚数上限/年会費 上限4枚/1枚につき3,300円(税込)
限度額 審査により決定
ポイント還元率 0.5~1.0%(永久不滅ポイント)
特典・付帯サービス ・各種ビジネスサポートサービス
・コンシェルジュサービス
・国内・海外空港ラウンジ利用
・国内・海外旅行補償保険 など
キャッシング可能枠 審査により決定

5:JCB一般法人カード

できるだけ年会費が安い法人カードを選びたいなら、「JCB一般カード」を検討したい。

オンラインで申し込めば初年度は年会費無料、さらに2年目以降も1,375円と費用負担が少なく済むことが特徴だ。追加カードも、格安の年会費で何枚でも発行できる。タイミングによっては、お得な新規入会キャンペーンが実施されていることもある。

国内外の旅行傷害保険やショッピングガード保険、ETCカードの無料発行といった付帯サービスも使い勝手がよい。初めて法人カードを発行する経営者にとっても安心な、スタンダードなサービス内容といえるだろう。

年会費 1,375円(税込)
初年度入会費無料(オンライン入会の場合のみ)
追加カード枚数上限/年会費 上限なし/1枚につき1,375円(税込)
限度額 10万~100万円
ポイント還元率 0.5%(Oki Dokiポイント)
特典・付帯サービス ・ETCカード複数枚発行
・国内・海外旅行傷害保険
・ショッピングガード保険
キャッシング可能枠 なし

法人カードの選び方6つのポイント

おすすめの法人カードをいくつか紹介したが、どの法人カードを選ぶべきかはカードの使い方によって違ってくる。続いては、法人カードを選ぶときのポイントを解説していく。

1:利用人数や利用額

まず「法人カードを何人で共有するのか」「どのくらいの金額を利用するのか」を確認する必要がある。

法人カードによって、追加発行できるカードの枚数や利用限度額が異なるからだ。必要な枚数の追加カードを所有でき、利用限度額に余裕がある法人カードなら、発行後に不便を感じることも少ないだろう。

2:年会費(コストパフォーマンス)

法人カードを持つには年会費がかかり、金額は数千円から数万円までカードごとに異なる。創業期で資金繰りが厳しいなら、まずは年会費が安く負担の少ないカードを選ぶといいだろう。

ただし、年会費が安い法人カードが一概にお得というわけでもない。年会費が高めのカードでも、それを上回るサービスを受けることができれば、結果的にコストパフォーマンスはよくなる。

「年会費」と「付帯サービスの内容」という2つの軸を意識し、両者のバランスを考慮して法人カードを選ぶ必要があるだろう。

3:特典・付帯サービス

法人カードには、「コンシェルジュデスクの利用」や「福利厚生」といった、ビジネスシーンで役立つさまざまなサービスが付帯する。法人カード選びでは、自分にとって役立つサービスが付帯するかどうかを見極めることも重要だ。

しかし当然のことながら、特典が充実しているカードは年会費も高くなる。必要なサービスが何かを絞り込んだ上で、年会費とのバランスを考えながらカードを選びたい。

4:ポイントやマイルの貯まりやすさ

事業用だとカードの利用金額が大きいため、ポイントやマイルの還元率も重要になる。法人カードのポイント還元率は0.5から1.0%程度が一般的だが、中には特定の店舗で買い物をすると還元率が上がるなど、特典を設けている法人カードもある。

貯めたポイントは現金やギフトカードと交換できるほか、マイルに移行することも可能だ。 法人カードによって交換できるマイルの種類や交換レートが異なるため、マイルを貯めたい場合はあらかじめ確認しておこう。

5:資金繰りに利用できるか

数は少ないものの、法人カードの中にはキャッシングが利用できるものがある。万一の際の資金繰りに役立つので、必要な場合はキャッシング可能なカードを選ぶのもいいだろう。

ただし、キャッシングの借入限度額は、数十万円程度と少額に設定されるケースが多い。また、利息が高く返済の融通も利かないため、利用には十分注意したい。

6:ステータス

企業の信頼性を大切にするなら、カードのステータス性にもこだわりたい。ゴールドカードやプラチナカードのように厳しい審査を経て発行できるカードなら、持っているだけで取引先からの信頼を得やすくなる。

特に海外だと、クレジットカードは身分証代わりともいわれている。そのため、海外の人と仕事をする機会が多い経営者は、特にステータス性には気を配りたい。

法人カードを賢く利用し経営に活かそう

法人カードは、経費精算を一本化し、経営を効率化してくれる。加えて、ビジネス面で役立つ付帯サービスや、利用に応じて還元されるポイント・マイルは経費削減に少なからず貢献してくれるだろう。

しかし、どんなに便利な法人カードでも、宝の持ち腐れになってしまっては意味がない。どの機能が必要か、どのサービスは必要ないかをしっかりと見極め、自分にとって最適な一枚を選んでほしい。

文・木崎涼(ファイナンシャルプランナー)