クレジットカードを選ぶ際に、何を重視するだろうか。カードのブランドだろうか、それともポイントなどの還元率だろうか。

だが少し待ってほしい。もし個人事業主や中小企業のオーナーであるならば、カードを選ぶ際に、ビジネスカードという選択肢もある。ビジネスカードはどういったカードなのか、個人カードや法人カードとはどのように違うのかを解説する。

ビジネスカードとは?

ビジネスカードとは?特徴や種類、個人カードとの違いを解説!おすすめカードも紹介
(画像=Rido/stock.adobe.com)

そもそもビジネスカードとは、どういったカードを指すのだろうか。

クレジットカードには、大きく分けて個人カードと法人カードがある。個人カードは、個人という「人」を信用してカードが発行されるのに対し、法人カードは「法人」を信用してカードが発行されるものだ。

法人カードは法人に対して発行されるカードであるため、会社の事業に関する経費などの支払いもできる。

法人カードにも、いくつかの種類がある。主なものが、「コーポレートカード」「法人カード」「ビジネスカード」だ。このうちコーポレートカードは大企業向け、法人カードは中小企業向け、ビジネスカードは個人事業主・小規模事業者向けと、企業規模によって発行できるカードが異なるのだ。

個人カードとビジネスカードの3つの違い

では、個人向けカードと、法人向けカード・ビジネスカードでは、何が異なるのだろうか。主な違いを整理してみよう。

1.法人向けの付帯サービスがある

個人カードでマイルやポイント還元などがあるように、ビジネスカードでも、何らかの付帯サービスがついていることが多い。

海外旅行損害保険やポイント還元など、個人カードと同じような付帯サービスから、ビジネス向けのサービスへのより高い還元率の設定、スポーツクラブ優待や人間ドックの割引など、福利厚生として使える付帯サービスがついていることもある。

こういった法人ならではの付帯サービスをメリットに感じる人は多いだろう。

2.限度額が大きいことが多い

個人カードに比べて、法人カードは一般的に限度額が大きいことが多い。

一般的に、限度額はクレジットヒストリー(これまでのクレジットカードの使用・返済履歴)や本人の収入などで決まることが多い。法人カードの場合は、個人ではなく、会社の収入などによって限度額が変わってくる。

個人でのお金の出し入れより、法人としてのお金の出し入れが増えることが多いため、最初は同じくらいの限度額であっても、時間がたつと限度額に差が生まれてくるのだ。

3.法人口座から引き落としできる

ビジネスカードの場合、一般的には「個人型決済」と「会社型決済」から選ぶことができ、会社型決済を選ぶと、法人口座からの引き落としが可能になる。

法人口座でお金のやり取りをしたい場合は、こちらもメリットだと言えるだろう。

ビジネスカードのメリット・デメリット

では、ビジネスカードには、どのようなメリット・デメリットがあるのだろうか。ここでは2つのメリット、1つのデメリットを紹介する。

経費精算業務を軽減できる

まず挙げられるメリットは、経費精算業務を軽減できることだろう。個人事業主や中小企業であれば、経費の精算等で時間とコストがかかり、辛い思いをしたことがある人もいるのではないだろうか。

ビジネスカードを経費で使って法人口座引き落としにすれば、振込手数料等が少なくなる上、カードの利用明細で履歴がわかるので、経費精算が効率的になる。

特に個人事業主のような、どれが個人の支払いでどれが法人の支払いかわかりにくくなりやすい問題は、ビジネスカードを持つことで解消されるのではないだろうか。

キャッシュフローが改善される

もう1つのメリットは、キャッシュフローが改善されることだろう。

カードの場合、月末締めの翌月25日払いなど、使ってから請求が来るまでタイムラグがあることが多い。そのため、支払いをビジネスカードに変えると、手元に資金がある状況が多くなるのだ。

事業を立ち上げた人であれば、手元資金の重要性は十分に理解できるだろう。その手元資金を増やすためにも、ビジネスカードは有効なのである。

複数人にカードを持たせる場合はリスク管理が必要

ビジネスカードは、リボ払いや複数回払いに対応していないケースがある以外は、特に大きなデメリットはない。しかし、複数人にカードを持たせて、法人口座から引き落とす際は、注意が必要だ。

決済ルールや限度額を決めないまま複数の従業員がビジネスカードを持つと、予想外の出費やあいまいな支出につながることも多い。自分一人で持つ分には問題がないが、複数人で持つ場合は、支払額の上限を設定しておくといったルールの整備が必要となるだろう。

会社規模別・ビジネスカードおすすめ10選

ここまで、ビジネスカード全体についてメリットやデメリットを紹介したが、実際に持つにはどのようなカードがよいのだろうか。個人事業主と中小企業に分けて、おすすめのカードを紹介する。

個人事業主向けカード5選

1.セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

まずおすすめしたいのは、セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードだ。セゾンカードでは、後述のセゾン・アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードが先行していたが、増加する副業や個人事業主のニーズに合わせる形で生まれたのがこのカードである。

年会費1,100円と割安なことに加え、サーバーやドメインの会社のサービスポイントが4倍になるなど、ビジネスメリットに特化したこのカードは、事業を始めた個人事業主にぴったりなカードだと言えるだろう。

2.アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードは、アメックスが発行するビジネスカードだ。通常のカードサービスに加えて、ビジネス情報サービスの年会費が無料になり、また福利厚生サービスの年会費が無料になるなど、ビジネスならではのサービスも多い。

年会費は1万3,200円とやや高額ではあるものの、安心のサービスが受けられるという点でメリットは多いだろう。

3.JCB法人カード

JCB法人カードも、個人事業主にとっては魅力的なカードだ。一般カードの年会費は1,375円とリーズナブルで、かつオンライン入会の場合、初年度は年会費が無料になる。

リーズナブルでありながら、従業員カードの発行や旅行保険、ETCカードのサービスなど、ベーシックなところをおさえているのは心強い。また、一般カードの他ゴールドやプラチナカードもあり、ビジネスの成長に合わせてカード・サービスを選べるのも魅力的だ。

4.三井住友ビジネスカード for Owners クラシック

三井住友ビジネスカードも、JCB法人カード同様、年会費は1,375円、かつオンライン入会の場合初年度は年会費無料だ。翌年度以降も条件によっては年会費の割引がある。

また、三井住友ビジネスカードのメリットとして、登記簿謄本や決算書なしに申し込みできるという手軽さも挙げられる。登録した対象店舗(最大3つ)でカードを使うとポイントが2倍貯まる特典もあるため、よく利用する店舗がある場合はぜひ登録しておきたい。

5.NTTファイナンスBizレギュラーカード

NTTファイナンスBizレギュラーカードの魅力は、年会費だろう。ビジネスカードでは珍しく、年会費が無料なのだ。

ETCカードの発行や明細書発行(郵送)に別途費用がかかるなど、他のカードに比べると無料部分のサービスは弱いものの、とにかく安くビジネスカードを持ちたい人には、ぴったりだろう。

ベンチャー、中小企業の方向けカード5選

1.アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードのメリットは、ビジネス向けの豊富なサービスだろう。

例えば一律で限度枠を決めるのではなく、事前相談によっては限度枠の拡充が可能になる。また、出張時や会食などのサポートも手厚い。年会費は3万4,100円と安くはないが、それに見合う価値のあるカードだと言える。

2.セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカードのメリットも、やはりさまざまな付帯サービスだ。

コンシェルジュや旅行傷害保険、プライオリティパスに加え、ビジネスカードならではのメリットとして、さまざまなビジネスサービスを優待価格で受けることができる。

年会費は2万2,000円かかるが、年間200万円以上の利用で翌年以降は半額になる。カード決済する金額が増えればお得な仕組みになるのもうれしいサービスだ。

3.ダイナースクラブ ビジネスカード

ダイナースクラブのビジネスカードも、付帯サービスが充実している。ダイナースクラブビジネス・ラウンジの利用や、会計ソフトとの連携など、年会費2万9,700円に見合うだけのサービスが提供されている。

また、ダイナースらしい、料亭の予約代行や1名のコース無料など、会食シーンでも活用できそうなサービスが多いのも魅力的だ。

4.JCBゴールド法人カード

JCBゴールド法人カードは、個人事業主向けカード5選で紹介したJCB法人カードのゴールドカード版だ。JCB法人カードのベーシックなサービスはそのままに、空港のラウンジや、グルメ優待サービスなど、ゴールドならではのサービスが受けられる。

年会費は1万1,000円だが、初年度は無料になる。

5.EX Gold for Biz M

EX Gold for Biz Mは、オリコカードが発行するビジネス向けのゴールドカードだ。

ゴールドカードだが、年会費は2,200円とリーズナブルなのがEX Gold for Biz Mの特徴である。リーズナブルではあるが、もちろんビジネスカードとしてのベーシックな機能は備わっている。コストを下げたい方向けのカードだと言えるだろう。

ビジネスカードを活用して、ビジネスの効率化や経費削減を図ろう

ビジネスカードは、個人カードに比べて限度額が大きかったり、ビジネスカードならではの付帯サービスがついたりと、メリットが多い。

また、通常の支払いをカードに変えることで、経費精算業務の効率化やキャッシュフローの改善につなげられるのも、ビジネスカードを持つメリットだ。

ビジネスカードはカード会社各社がさまざまなものを出している。一度比較検討して、自社に合ったカードを持ち、ビジネスの効率化や経費削減を進めてはいかがだろうか。

文・BUSINESS OWNER LOUNGE編集部