振込コストの削減は、合理的な経費削減策の1つである。「銀行の振込手数料は変わらないから削減のしようがない」と思っている方も多いだろうが、実は「送金サービス」を活用すれば振込コストを削減することは可能だ。それでは、具体的な内容を見ていこう。

目次

  1. 振込コストの削減は大きな課題
  2. 送金サービスとは?
  3. 送金サービスのメリット・デメリット
    1. 送金サービスのメリット
    2. 送金サービスのデメリット
  4. 主な送金サービス
    1. セゾンスマート振込サービス
    2. 振込手数料削減サービス「Flico(フリコ)」
    3. たよれーる振込代行サービス
    4. 振込代行サービス「ウェブフリコム」
  5. 送金サービスを選ぶ際のポイントは?
    1. 手数料、初期費用などの金額
    2. その他のソフトとの連携性
    3. 操作性
  6. 送金サービスを活用して振込コストを削減しよう

振込コストの削減は大きな課題

会計
(画像=pawinee/stock.adobe.com)

振込コストとは、振込手数料や振込の業務にかかる人的コストなど、銀行振込に関するコスト全般のことである。振込手数料は、銀行振込を行う際に銀行に対して支払う手数料、振込先、手続き方法、振込金額、取引状況などによって異なる場合が多い。

振込コストは、1件あたりの金額を見れば数百円という小さなものである。しかし、企業にとって、日々の仕入費用、オフィス賃料、公共料金の支払いなど、銀行振込を利用する機会は多い。積み重なれば膨大な金額になるため、決して軽視できない。

したがって、振込コストの削減は、経費を削減したい経営者にとって大きな課題の1つといえる。

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送金サービスとは?

送金サービスとは、顧客への送金や返金等の業務を安価な手数料で代行するサービスのことだ。一般的に、多くの銀行では他行宛の振込手数料は1件500円を超え、ネットバンクでも1件100円〜300円程度が相場である。

同行間の場合、振込手数料はそれよりも安価に設定されていることが多い。そのため、企業の多くは銀行口座をいくつか用意しており、振込先の口座と同じ銀行から振り込むことによって手数料を抑えているのではないだろうか。しかし、それでは振込の度に相手先の銀行口座を確認するなどの手間がかかり、人的コストがかさんでしまう。

送金サービスを使うことにより、1つの口座からどの銀行の口座に振り込んでも手数料は一定にできるため、人的コストと振込手数料の両方を削減することができる。

送金サービスのメリット・デメリット

送金サービスには、メリット・デメリットがある。

送金サービスのメリット

送金サービスのメリットは、主に3点ある。

1点目は、振込手数料の削減ができることだ。一般的な銀行の振込手数料と比べて、送金サービスの手数料は非常に安く設定されているため、その差額分を浮かせることができる。

例えば振込サービス「Flico」のシミュレーションによると、月間100件の振込に総額5万円の手数料がかかっていた場合、節約できる金額は月間2万4,000円、年間28万8,000円と試算される。

2点目は、効率化による人的コストの削減ができることだ。

多くの送金サービスは、振込データのアップロードによる一括データ取込や振込先マスター管理機能といった便利な機能を備えている。それらの機能を活用することで、通常の銀行振込より少ない労力で振込を完了させることができる。

3点目は、通常の銀行振込にはない便利な機能だ。各社の特徴が色濃く出る点でもある。

機能の例としては、振込エラーをwebやメールでお知らせしてくれるサービスや、振込データをもとに自動的に「金融機関」「振込手数料」といった項目に色分けしてくれるサービスといったものがある。

また、銀行の営業時間外であっても振込予約を受け付けることができる機能がついている場合もあり、時間の制約なく振込業務が可能である。

送金サービスのデメリット

その一方で、送金サービスには2点のデメリットがある。

1点目は、入金から着金までのタイムラグがあることだ。多くの送金サービスでは、入金の翌日以降に着金される。緊急を要する場合は通常の銀行振込を使うなど、送金サービスと銀行振込を使い分けるとよいだろう。

2点目は、担当者が操作を覚えなければならないことが挙げられる。多くの送金サービスが操作しやすいGUIを用意しているとはいえ、使い始めた当初は一時的に多少の混乱が生じるかもしれない。

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主な送金サービス

送金サービスには多様なものがあるが、ここでは代表的な4つのサービスを紹介する。

セゾンスマート振込サービス

サービス提供元:株式会社クレディセゾン
初期費用:0円
振込手数料:286円/件
その他費用:0円
着金スピード:前営業日14:00までの振込データ入力・承認、15:00までの指定口座への入金で、翌営業日9:00以降に着金
Webサイト:https://www.saisoncard.co.jp/furikomi/
特徴:大手カード会社が運営していることから、大きな安心感がある。会計ソフトとの連携はできず、希望する場合は、ミロク情報サービスの「楽たす振込」という別のサービスを案内される。

振込手数料削減サービス「Flico(フリコ)」

サービス提供元:オリックス株式会社
初期費用:0円
振込手数料:260円/件
その他費用:0円
着金スピード:振込指定日1ヵ月前~前営業日18:00までの振込データ入力・承認、振込指定日当日12:00までの指定口座への入金で、当日着金
Webサイト:https://biz.orix.co.jp/flico_lp_1804/flico_lp_1804.htm
特徴:振込手数料の安さと着金スピードが魅力だ。大手企業が運営しているだけあって、セキュリティにはこだわりがある。「データの安全性」、「資金の安全性」、「振込の安全性」、「内部統制の安全性」を含めた「4つの安全性」を謳っている。

たよれーる振込代行サービス

サービス提供元:株式会社大塚商会
初期費用:3,300円
振込手数料:418円/件
その他費用:訪問指導料(オプション)2万2,000円
着金スピード:2週間前から前営業日14:00までの振込データ入力・承認、前営業日の9:00から15:00までの振込資金の一括振込で、翌営業日に着金
Webサイト:https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/furikomidaikou/
特徴:大手SI企業が運営するサービスだけあって、システム連携の利便性が充実している。振込データをCSVデータや全銀フォーマットにて一括でアップロードすることができることはもちろん、1件ごとの直接入力も可能だ。基幹システムやExcelで管理している支払一覧表とのデータ連携も可能なため、入力内容のチェック、確認などの業務を軽減できる。

振込代行サービス「ウェブフリコム」

サービス提供元:株式会社フォーライフシステム、NTTスマートトレード(資金管理委託先)
初期費用:0円
振込手数料:440円/件
その他費用:0円
着金スピード:11:30までの振込で当日着金
Webサイト:https://furikomi-daikou.com/web-furi_movie/
特徴:金融機関情報を自動的にチェックする機能や振込エラーを防ぐ事前口座照会機能など、業務効率化に役立つ便利機能が豊富である。オプションでAPI連携サービスも受けることができ、自社システムとのスムーズな連携が可能だ。

送金サービスを選ぶ際のポイントは?

ここまで見てきたように、送金サービスには様々な種類があり、どうやって選べばよいのかわからないと感じる方も多いかもしれない。

その場合は、これから説明する3つのポイントを意識して選んでほしい。

手数料、初期費用などの金額

送金サービスを利用する人の多くが、経費削減を目的としている。そのような人にとって、金額が重要であることはいうまでもないだろう。

なお、振込1件当たりの手数料については、給与振込の場合だけ、通常の振込より安い価格帯で設定されていることが多い。そのため、送金サービスを給与振込に利用する場合は、給与振込用の手数料設定も確認した上で比較をすることが重要だ。

その他のソフトとの連携性

送金サービスのメリットの中でも業務効率化を重視するのであれば、基幹システムやオフィスソフトなど、自社で利用している別のアプリケーションソフトと連携できるかどうかは大きなポイントである。

その他のアプリケーションから出力した振込データを送金サービスに取り込む際に、多くの手作業が発生してしまっては業務効率化にならないためだ。

できれば、システム間の連携で困らないように、技術面のサポートが充実していることも観点に含めるとよいだろう。

操作性

送金サービスの操作を従業員に任せるつもりの経営者にとってはあまり関心がない点かもしれないが、操作性は業務効率に大きく影響する重要なポイントである。

できれば、自分が操作しているつもりでデモ動画などを見て、画面の表示がわかりやすいかどうか、素早く入力できそうかどうかなどを確認してみてほしい。担当する従業員が決まっている場合は、その人の意見を優先して操作性の良し悪しを判断しよう。

送金サービスを活用して振込コストを削減しよう

ここまで、振込コストは送金サービスによって削減可能であること、振込手数料の削減以外にも業務効率化や便利な機能の活用といったメリットが送金サービスにはあることなどを見てきた。

送金サービスには多様なものがあるため、金額やソフトとの連携性、操作性という3つのポイントで比較検討するとよいだろう。

重要なポイントは、送金サービスを利用する目的を明確に意識して、自社にあったサービスを選ぶことである。

変えられないと思い込んで手付かずになっている振込コストをぜひ、送金サービスによって削減してみよう。同時に、業務の効率化や高度化も推し進めることで、ワンランク上の経営を目指してみようではないか。

文・BUSINESS OWNER LOUNGE編集部