経費精算の手間は、申請者や承認者、経理担当者と会社内でも多くの人にかかるものだ。この手間を省くべく、近年徐々に広まりつつあるのが経費精算システムだ。

今回は経費精算システムについてどういうものかを説明するとともに、10の主要な経費精算システムの主要な機能を紹介していく。

目次

  1. 経費精算システムとは?
  2. 定番といえば!経費精算システム5選
    1. 1.楽楽精算
    2. 2.ジョブカン経費精算
    3. 3.Dr.経費精算
    4. 4.マネーフォワードクラウド経費
    5. 5.経費精算freee
  3. 特徴的な経費精算システム5選
    1. 1.Concur Expense
    2. 2.jinjer経費
    3. 3.Staple
    4. 4.kincone
    5. 5.ネクストICカード
  4. 経費精算システムを導入するメリット・デメリットは?
  5. 経費精算システムには導入にかかる手間・費用以上の効率化が期待できる

経費精算システムとは?

【最新版】経費精算システム10選を比較!
(画像=BillionPhotos.com/stock.adobe.com)

事業を行う上で必要となる経費は、会社とはいわば切っても切れない関係にある。

従来は、紙面に証憑などを添付して各関係部署へ回付し承認を受けていくといった業務フローで行われるものであり、全て手動であった。しかし近年、この業務フローについてシステムを介して自動化を行い、効果的かつ効率的に実施することを目的として構築されたシステムが経費精算システムである。

具体的には、経費精算で必要となる申請作業や、申請に対するチェック並びに上長・関係部署の承認がシステムの中で行えるといったものである。従来は手元に証憑や申請書がなければチェックや承認ができず、承認されるまでにも時間を要することが多かったが、経費精算システムを導入することによって、いつでもどこでもタイムリーに行うことが可能となった。

これに付随するプロセスの中で各会社がリリースしている経費精算システムごとにさまざまな特徴があるので、それについては後ほど解説していく。

定番といえば!経費精算システム5選

まずは、定番とされている経費精算システムについて5つ紹介する。経費精算システムの根本はどの経費精算システムも同様であることから、ここではそれぞれの機能に焦点を当てていく。

1.楽楽精算

本システムの特徴的な機能としては、まず領収書読み取り機能が挙げられる。これは、当機能を搭載した専用アプリから領収書を写真撮影すると自動的に必要な情報がデータ化されるというもので、これにより領収書を転記する手間や入力ミスなどが防止できる。

また、承認ルートを自社の運用に合わせて自由に設定でき、また担当者が不在の場合には代理申請や承認もできる機能も備えている。

勘定項目の仕訳や起票で手間取っていた、という経理担当者にうれしいのが、自動仕訳機能だ。これは申請時に選ぶ項目に勘定科目や税区分を紐づけることができ、これにより申請者が項目を選択した時点で紐づく科目が決まり自動仕訳が完了するというものである。そのため、経理担当者が申請内容を確認し、仕訳を起票する手間が省ける。

この他、承認された申請データから、FBデータが作成される機能や事前に設定したルールに反する申請は申請前に警告を出すことができる規程違反チェック機能、交際費精算、チャットボット対応など豊富な機能を備えている。

2.ジョブカン経費精算

本システムに搭載されている機能には、仕訳データやFBデータの作成、承認ルートの設定、代理申請・承認機能がある。

これに加え、乗換案内システムと連携し、経路検索や交通費の計算が自動化できたり、ICカードの読み取り機能によりICカードから交通費明細に反映できたりする機能を有している。

また、スマートフォンによる申請・承認ができる機能や申請・承認通知をチャットツールと連携することが可能なため、適宜状況を把握することも可能である。

この他、Googleアカウントと連携できたり、英語表記にも切り替えが可能であったりする点がこの経費精算システムの主要な機能として挙げられる。

3.Dr.経費精算

本システムの特徴的な機能としては、領収書をスマートフォンで撮影するだけで、Dr.経費精算オペレータが99.98%の精度で代行入力する機能がまず挙げられる。24時間365日稼働しており、手書きや海外の領収書にも対応している。また入力した内容についてはダブルチェックが行われ、入力品質も確保されている。

この他、スマートフォンにICカードをかざすのみで交通費精算が完了する機能や、モバイルSuicaやモバイルPASMO、クレジットカード明細を自動連携することによって自動化を可能とする機能、経費データのCSV形式出力機能がある。

また、スマートフォンによる申請や承認が完結できる機能を有しており、経費申請もスピーディーに行うことができる。

4.マネーフォワードクラウド経費

本システムの特徴的な機能は2つある。1つ目はキャッシュレス送金機能だ。これは従業員に対してキャッシュレスで送金を行うことにより、銀行振り込みよりも低コストで生産が行える。

2つ目はカードコントロール機能である。これは、管理者でカードの制御が可能となり、不正や間違いを防止することができる。

この他には、経費申請証憑の自動読み込み機能による経費申請の自動化、スマートフォンアプリ内での申請・承認の完結、仕訳データの自動登録、申請チェック機能などが主な機能として挙げられる。

5.経費精算freee

本システムの特徴的な機能は、タグ機能である。この機能を使用することで部門ごと・プロジェクトごとに経費データを集計することができ、経費データの管理が可能となる。

この他には、経費申請証憑の自動読み込み機能や場所を問わず申請の承認を行える機能、ならびに振込ファイル作成を自動で行う機能などがある。

特徴的な経費精算システム5選

ここでは、上記で紹介した以外の特徴的な経費精算システムを紹介する。

1.Concur Expense

多くの大企業で導入実績があるこのシステムは、ここまでで紹介した経費精算システムにおける各種機能は全て備えている。外部サービスとの連携も可能であり、タクシー手配やカーシェアリングなどといった経費データも自動連携される。

また、経費使用状況についてリアルタイムで管理・把握することが可能であり、承認時のサポートとなる。この他、経費申請を行った段階で最終的に発生した経費の分析やキャッシュフローを意識した経費発生予測なども可能にする機能もある。

幅広い機能を備えていることからも上場企業やそれに近い規模の企業向けの経費精算システムだといえる。

2.jinjer経費

この経費精算システムにおける特徴は料金プランにある。他の経費精算システムに比べて圧倒的に安価である。人事管理・給与計算・経費精算が各500円、勤怠管理・労務管理・コンディション管理・ワークフローが各300円で、従量課金制となっている。

複数を組み合わせての利用が多く、特に人気なのは人事管理+勤怠管理+給与計算、人事管理+勤怠管理+経費精算だ。

導入実績は1万1,000社以上、規模別の導入率は従業員数100~500人の会社が40%、100人以下、501人以上の会社がそれぞれ30%となっていることから、比較的中規模の会社向けだといえる。

3.Staple

Stapleは従業員による立替や、経費精算作業そのものをなくすことを目的とした経費精算サービスだ。数人規模から〜数千人までの利用も可能で、さまざまなシステムとの連携にも対応できる。

経費精算サービスと同時に、法人プリペイドカードであるStapleカードの一体型サービスを提供。マネーフォワード会計システムや弥生会計システムと連携して、仕訳データの自動化を行うことも可能だ。

具体的には、Stapleアプリからスマートフォンで撮影した領収書などを送付することで経費証憑として自動加工され、AIにより自動的にデータ化されたり、ビジネスチャットとの連携により経費申請の承認作業が適宜行われたりといったものである。

また「Stapleリーダー」というアプリで、Suica、PASMO など交通系ICカードの利用履歴を読取ることができ、Stapleと併用することで交通費精算の入力作業の必要がなくなる。

交通履歴ではなく商品の購入で交通系ICカードを利用した際の履歴は、経費化するまではユーザー本人しか見られないため、プライベートの情報が漏れることもない。

4.kincone

このシステムは、勤怠管理と出金における交通費を同時にICカードタッチすることで、従業員の交通費を自動で集計するといったシステムである。そのため経費精算システムという意味では、やや毛色が違うシステムである。あくまでも勤怠管理に重きを置いたものといってよい。

5.ネクストICカード

このシステムは、交通費の生産と経費精算の一元管理に重きをおいたシステムである。従業員によって専用のマイページ内で申請・承認を行い、それをデータ化し一元管理する機能を備えている。ガソリン代の算出ができる点が特徴として挙げられる。

経費精算システムを導入するメリット・デメリットは?

経費精算システム導入の一番のメリットは、やはり申請者の入力の手間や経理関係者の確認の手間が削減できるという点にあるだろう。

これまで全て手書きで行っていた経費の精算がカード情報の取り込みや領収書の撮影で済むようになれば、入力する手間も減り、書き間違いも減る。手軽にできるようになれば心理的ハードルも下がり、「今のうちにやっておこう」と思えるだろう。

こうしたことは確認する承認者や経理関係者にとっても大きなメリットで、領収書の添付漏れや記入ミスへの対応、締切前にまとめて提出されて確認作業に追われるといった苦労が大幅に軽減されると考えられる。

一方でデメリットとしては、導入にコストがかかることや社内にシステムを使いこなせない人が出てくる可能性があること、セキュリティ面で不安があることなどが挙げられる。

コストに関しては導入時とその後月々で費用がかかるもの、月額費用のみのものなどがある。特に導入時はある程度まとまった費用がかかるため、よく検討したい。

また、システムが自社に合っているかどうかということも検討時には見極めたい。「使いにくくて手間削減にならない」といった事態にならないよう、特に操作性に関しては確認しておこう。

コストだけで決めず、ターゲットや機能も確認の上で決定するようにしたい。

経費精算システムには導入にかかる手間・費用以上の効率化が期待できる

どの経費精算システムも基本的には同様の機能を有している。そのため、自社にとってどの経費精算システムが一番マッチするのか、一度検討する必要があるだろう。導入の手間や費用はかかるものの、それ以上に大きな効果・効率化を得ることができると考えられる。

経費精算における業務は関係部署がさまざまであり、また担当者も多く関わる作業であることからも、自動化することでコスト面においても時間面においても大きく削減することが可能である。

また、自動化されることにより人為的ミスも削減され、また経費精算システムにおける要件定義などを整理することで、ミスの予防機能を高めることも可能であろう。

さらに昨今、テレワークが主流となりつつある状況において、経費精算システムを導入することは非常に有用であると考えられる。この機会に、各社に応じた経費精算システムを導入することを検討してはいかがだろうか。

文・BUSINESS OWNER LOUNGE編集部