コロナウイルスの勢いが止まらない。世界中で感染が拡大しており、いまだ終息する気配は見えない。日本でも東京をはじめとして、緊急事態宣言解除後も再び感染者数が増えており、これからは「コロナと共に生活する」のがベースとなることが考えられる。

そんな中、ワークスタイルも変わりつつある。在宅勤務をする人が増えており、アフターコロナの世界ではニュースタンダードになるかもしれない。プライベートとの線引きが難しいことやコミュニケーション不足などが懸念される在宅勤務では、チームの生産性をどのように上げればいいのか。コロナによる働き方の変化と、在宅勤務で生産性を上げるコツを解説する。

目次

  1. 猛威を振るうコロナウイルスをきっかけに在宅勤務がスタンダードに
  2. 在宅勤務はいいことばかりではない?メリット、デメリットは?
    1. 在宅勤務のメリットは?
    2. 在宅勤務のデメリットは?
  3. 在宅勤務でも高い生産性を保つ4つのコツとは?
    1. 1.環境整備を行う
    2. 2.タスクを明確にし、それに合わせて評価を行う
    3. 3.無駄だと思われるコミュニケーションもきちんととる
    4. 4.ある程度生産性が落ちるのは「仕方ない」と割り切る
  4. テレワークの生産性を高めて、働き方改革を加速させよう

猛威を振るうコロナウイルスをきっかけに在宅勤務がスタンダードに

テレワーク時代に突入!在宅勤務の際に、経営者が考えるべきこととは?
(画像=Jelena/stock.adobe.com)

2020年、世界の在り方が大きく変わろうとしている。もちろん、その中心にあるのはコロナウイルスだ。年明けから世界中で感染拡大が起こり、2020年7月現在、世界の感染者は1,300万人、死者は57万人を超えている。感染は今なお拡大しており、まだ終わりは見えない状況だ。

日本においても、人口当たりの感染者数は比較的少ないものの、7月に入り東京を中心に感染者数は増加しており、予断を許さない状況だといえる。

こうした中、我々の生き方や働き方は大きく変わりつつある。外的要因として、移動が制限されることが増えたからだ。飛行機での移動は、国際線は前年比マイナス99%を記録し、また国内線も、一時は前年比マイナス90%に減少するなど、もはやコロナ前では考えられない水準にまで低下している。

通勤の混雑も戻りつつあるとはいえ、緊急事態宣言中は大きく減少した。移動そのものがリスクになるのは、これまでに人類が経験したことのない事態であるといえるだろう。

そんな中、働き方の新しい形として定着しつつあるのが「在宅勤務」だ。東京商工リサーチの調査によると、在宅勤務を実施した会社の割合は2020年4月の時点で55%にも上る。特に、資本金1億円以上の大企業では8割以上の会社が在宅勤務を実施しているという。

実際、大手外資IT系企業では、2020年いっぱいは原則テレワークにする動きがあり、日本企業でもカルビーや富士通が単身赴任を解除して、テレワーク中心の勤務スタイルに変更するなど、多くの企業が「新しい働き方」を模索しているといえる。

もちろんすべての職種で在宅勤務ができるわけではないが、今後数年で多くの人の働き方が変わる可能性もあるのではないだろうか。

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在宅勤務はいいことばかりではない?メリット、デメリットは?

一方で、働き方を変えることに関しては、必ずしもメリットばかりというわけではない。もちろんデメリットもあるだろう。実際、在宅勤務に変わることにおいて何がメリット・デメリットになり得るのだろうか。経営者やマネジメントの観点から見てみよう。

在宅勤務のメリットは?

在宅勤務のメリットとしては、まず移動を減らすことで、従業員がコロナウイルスに感染するリスクを減らせることが挙げられるだろう。

現在、コロナウイルスに感染した場合、少なくとも2週間の隔離が必要になる。そうなればもはや仕事どころではなくなる。移動そのものにリスクがある世界においては、「移動しない」在宅勤務は、それだけで従業員、経営者にとってメリットになるのだ。

他に考えられるのは、オフィスコストの削減だろう。オフィスというのは、稼働していようがしていまいが、家賃という固定費が毎月かかってくる。これが在宅勤務に変わると、オフィスの面積を減らすことができ、結果、固定費を安くすることができるのだ。

上述の富士通も、2022年度末までにオフィスの半減を目指している。もちろんゼロにすることはできないが、経営者である以上、無駄なコストの削減というのは魅力的に映るのではないだろうか。さらに、通勤がなくなれば通勤にかかる定期代を減らすこともできる。

さらには、ワークライフバランスを踏まえた働き方ができるというのもメリットだ。ザイマックスの調査によると、2019年度の首都圏の平均通勤時間は約50分で、また、通勤時間が長ければ長いほどストレスを感じているという。往復で約2時間の時間を有効に使えるようになれば、精神衛生の面でも非常にメリットが多いといえるだろう。

さらに育児や介護などで出勤が難しい人も、在宅勤務であれば部分的な仕事ができるようになるかもしれない。人材の活用という面でも、在宅勤務にはメリットが多いのだ。

在宅勤務のデメリットは?

在宅勤務において経営者を悩ませるのは、やはりセキュリティ面ではないだろうか。

多くの場合、企業は個人情報や機密情報など、社外秘の情報を扱っている。そうした情報を社外で扱うことにはリスクが伴うものだ。たいていの場合は社内でイントラネットを構築しているだろうが、そのイントラネットに接続するためのVPN対応など、追加でコストがかかるケースもある。

とはいえ、そういったリスク管理を疎かにすると、重大な事故にもつながりかねない。メリットとして、オフィスのコストや通勤費などのコスト削減を挙げたが、セキュリティ面では、在宅勤務のほうがよりコストがかかるといえるだろう。

他には、マネジメントの問題というものもある。リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所の調査によれば、管理職の多くが部下とのコミュニケーションがとれないことや、部下の仕事の状態を管理できないこと、業務指示を出したりできないことを在宅勤務における懸念点として挙げている。

業務がある程度確立されており、社内で役割分担がはっきりしているような組織や、逆に少人数で絶えずコミュニケーションがとれるような環境であれば問題にならないかもしれないが、多くの場合はそうはいかないだろう。部下の仕事の管理コストという面では、在宅勤務はデメリットといえる部分もありそうだ。

また、創造性や生産性という点でも、在宅勤務は会社での勤務に比べてマイナスだと考えられる。実際、自宅で仕事をすると、環境の面からも集中力の持続が難しく、生産性が下がるというケースもある。また、普段のちょっとした雑談やコミュニケーションは、実は組織全体の生産性の向上に寄与しており、それがなくなることで、生産性が落ちるということもあり得るだろう。

やはり、マネジメント同様コミュニケーション面では、在宅勤務に弊害があるといえそうだ。

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在宅勤務でも高い生産性を保つ4つのコツとは?

とはいえ、生産性のために、従業員をコロナウイルス感染のリスクに晒すわけにはいかない。では、在宅勤務で生産性を保つためには、どのような取り組みが有効なのか。具体的に解説する。

1.環境整備を行う

まず大事なのは、環境整備への投資を惜しまないことだ。

たとえば、Wi-Fiやイントラネットなどのネットワークが遅いと、ダイレクトに生産性に影響が出てくるだろうし、ネットワークにつながらないことが、仕事上大きなストレスになるのは想像に難くない。

他にも、環境面で言えば、たとえば椅子などを整備することが挙げられる。着座での仕事は、意外と腰をはじめ身体の多くの部分に負荷がかかりやすい。負荷がかかると、知らず知らずのうちに身体にストレスがかかって疲れやすくなったり、集中力が落ちたりする。

また、たとえば照明一つで、集中しやすい・集中しにくいということもある。生産性の低下を防ぐためにも、できるだけ快適な環境を作る、またそれをサポートするというのは、とても重要なことなのだ。

2.タスクを明確にし、それに合わせて評価を行う

もう一つは、業務を明確にすることだ。

本来、成果が問われているのであれば、在宅勤務だろうと会社だろうと、特に評価や管理については問題が起こらないと考えられる。しかし、そこで問題や不安があるというのは、タスクや目指すものが明確に共有されていないからだ。

マネージャーや管理職が部下のタスクを明確にし、部下に行ってもらいたいものを明確にし、それができているかどうかで評価する仕組みを作る。お互い会社にいれば「なんとなく」で伝わった期待や業務は、在宅勤務においては一切通用しないと考えてよいだろう。

部下がきちんと働けるかどうかは、上司の仕事の与え方、評価の仕方によると言ってもよいだろう。

3.無駄だと思われるコミュニケーションもきちんととる

もう一つは、「無駄だ」と思っても、積極的にコミュニケーションをとるということだ。社内での情報・ノウハウの伝達は、雑談などを通じて行われていることも多々ある。実際、社内のチャットルームに、「雑談用」のチャットルームを設定しているような企業もあるくらいだ。

在宅勤務では実際、こういった一見無駄に思えるコミュニケーションは行われづらい。行われづらいからこそ、積極的にとることが管理職として重要なのだ。

4.ある程度生産性が落ちるのは「仕方ない」と割り切る

最後は、生産性の低下をある程度「割り切る」ことだ。どうしても慣れない環境においては人の生産性は上げづらく、100%の生産性で仕事を行い続けることは無理があるだろう。

在宅勤務においては、これまでと同じ生産性を期待するのではなく、「こういった状況下だからこそできることがある」と割り切ることも、マネジメントの立場としては重要だといえる。逆に、在宅勤務が当たり前になれば、そこで最大限のパフォーマンスを発揮できる人も増えてくるのではないだろうか。

テレワークの生産性を高めて、働き方改革を加速させよう

コロナウイルスにより、我々の働き方は大きく変わった。その最たるものが、在宅勤務の普及だ。一方で、在宅勤務により、生産性が下がったと感じたり、漠然と不安を感じたりしている人も多いだろう。

在宅勤務は、確かにコミュニケーションなどの面ではマイナス面もあるが、働き方の多様性の確保やオフィスコストの低減など、メリットも多い。一方で、もはやコロナ前のような働き方は、今後ますます減っていくことが予想されている。テレワークの割合も今後増えていくだろう。そういった中で、これからの在宅勤務には、変化をある程度受け入れながら、新しい環境で最大限パフォーマンスを発揮できる方法を模索していくことが、求められていくのではないだろうか。

文・BUSINESS OWNER LOUNGE編集部