今、病気を未然に防ぐための「予防医療」が注目されている。予防医療を実践することで、病気になりづらい、または、病気の早期発見が可能になるのだ。経営者にとって健康リスクはそのまま事業のリスクにつながる。健康維持のために、すぐ始めることができる予防医療を紹介する。

目次

  1. なぜ今、予防医療が注目されているのか
  2. 予防医療が大切な理由は?
  3. 今すぐできる予防医療を紹介
    1. 手洗い・うがい
    2. 食生活の見直し
    3. 定期的な運動
    4. 検診・人間ドック
    5. 予防接種
  4. 身近な予防医療で、病気を防ごう

なぜ今、予防医療が注目されているのか

予防医療は健康を維持するのに必須!すぐに始められる予防医療とは?
(画像=ASDF/Adobe Stock)

今、改めて予防医療が注目されている。

その大きなきっかけになったのがコロナウイルスだ。コロナウイルスは、現時点では、特定のワクチンがあるわけではなく、基本的には症状を抑えながら、自然治癒を待つしかないウイルスだ。そのため、何よりもコロナウイルスにかからないことが重要となっており、その中でとれる対策として、手を30秒かけて洗う、3つの「蜜」を避けるなど、コロナウイルスを予防するための、予防医療に注目が集まっているのだ。

一方で、予防医療については、日本の医療の構造的な側面からも、注目を集めている。厚生労働省「平成 29 年度 国民医療費の概況」によると現在の日本の医療費は43兆710億円となっており、GDPの約7.9%となっている。医療費は、日本という国の財政支出の中で最も高い割合を示しており、そして、その金額、割合ともに年々高くなっているのだ。たびたび国の借金が話題になるが、日本の借金の1つの要素となっているのが、この、医療費の増加なのだ。

中でも高齢者向けの負担が大きく、医療費のうち、70歳以上向けの医療費が占める割合は40%を超えている。もし、仮に予防医療により健康寿命が延びれば、この高齢者向けの医療費が減り、結果国の医療費の削減ができる可能性がある。もちろん単純に予防医療が医療費削減にそのままつながるわけではないが、社会保障の負担が大きい日本にとって、今、注目されている取り組みの1つだと言えるだろう。

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予防医療が大切な理由は?

では、なぜ、予防医療が大切なのだろうか。当たり前だが、「病気になってからでは遅い」からだ。

基本的に、ある程度の事業規模の会社のサラリーマンであれば、企業が健康診断を提供してくれるケースがほとんどで、それをもって健康管理が可能だ。しかし、経営者の場合は、自分の健康は自分で管理するしかない。

世代を問わず、多くの中小企業の経営者は労働時間が長い傾向にあり、3割以上の経営者が週に60時間以上働いている。そして、健康診断を受けていないというケースも多い。知らないうちに病魔に襲われてしまうケースというのも十分にありえるのだ。

もし、自分が病気になってしまって、仕事ができなくなってしまった場合を想像してみよう。大企業であれば、誰かが代わりにやってくれるかもしれない。しかし、中小企業の経営者であれば、仕事が止まってしまったり、または、仕事そのものがなくなってしまう可能性もあるかもしれない。誰しもが病気にかかる可能性がある。だからこそ、きちんと予防医療を行い、未然に病気を防ぐのが重要なのだ。

今すぐできる予防医療を紹介

予防医療というのは、3つの段階に分けられている。食生活や運動など、生活習慣の改善で、病気を未然に防ぐ1次予防、定期検査などで病気を速めに発見し、早期治療に取り組む2次予防、病気になったときに適切な治療を行い、再発防止や早期回復に努める3次予防だ。

ここでは、まだ病気になっていない場合、すぐ自分達でも取り組める、1次予防、2次予防のうち、今すぐできる予防医療を具体的に紹介しよう。

手洗い・うがい

基本的なことではあるが、重要なのが、手洗い・うがいの徹底だ。病気の主な原因の1つに、細菌やウイルスに感染する、というものがある。この、細菌やウイルスは、手を介して鼻や口などから体内に入ることが多いと言われている。見た目には汚れていなくても、細菌やウイルスがついていることも多い。

石けんと流水を用いて手洗い・うがいをすることで、こうした細菌やウイルスは洗い流すことができる。習慣として、外出から帰った際には取り組むようにしたいところだ。

食生活の見直し

高血圧や糖尿病などの生活習慣病などは、その名の通り生活習慣の乱れからくることが多い。そして、食生活の改善は、そのまま予防医療に繋がってくる。過度な飲酒を控え、塩分、動物性脂肪分を摂りすぎないようにし、ビタミン・ミネラルを十分にとるなどを意識しよう。

定期的な運動

食生活の改善と同様に、予防医療に効果的なのが、定期的な運動だ。病気を予防するためには、合計で週150分程度の適度な運動、または週75分程度の活発な有酸素運動をするとよいと言われている。これだけの時間をとることは難しいかもしれないが、週1回、15分だけでも運動をすることでも効果があると言われている。スキマ時間でのストレッチなど、まずはできることから始めてみることをおすすめする。

検診・人間ドック

上記で説明した通り、予防医療とは病気を未然に防ぐためだけのものではない。病気になったときの早期発見・早期治療も予防医療に含まれる。一見健康でも、身体の中で病気が発症している可能性は十分にある。そういった病気を早期発見するためにも、定期的な検診を行うべきだろう。

予防接種

予防接種も、予防医療には効果的だ。たとえばインフルエンザワクチンの予防接種は、厚生労働省によると、6歳未満の小児のインフルエンザワクチンの有効率は、2015~16シーズンにおいて、60%だったと言われている。つまり、ワクチンを接種しなかった人の発病率(リスク)を基準とした場合、接種した人の発病率(リスク)が、「相対的に」60%減少したのです。もちろんすべての病気を予防接種で防ぐのは不可能だが、転ばぬ先の杖で、対策できるものはしておいた方がいいだろう。

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身近な予防医療で、病気を防ごう

予防医療は薬や手術のようにすぐ効果が出るものではなく、病気の発症を防いだり、早期発見・早期治療を促すものだ。見た目には効果が小さいかもしれないが、健康管理が重要である経営者にとって、予防医療はすぐできる対策の1つと言えるだろう。

これからも長く健康に働くために、まずは身近なところから取り入れてみてはいかがだろうか。

文・Business Owner Lounge編集部